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若手の姿勢を歓迎した長友「今までの代表はここまで意見を言い合える関係性はなかったんじゃないか」

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先頭を走るDF長友佑都

 日本代表DF長友佑都(FC東京)がキリンチャレンジカップ・アメリカ戦を翌日に控えた22日、現状のチームの雰囲気に手応えを語った。「すごくいいディスカッションが日々、ミーティングでもそうだし、練習の中でも繰り広げられている」。その成果をまずはドイツ遠征の2試合で発揮していくつもりだ。

 W杯過去3大会を不動の左サイドバックとして支えてきた長友。現在の代表ではDF中山雄太(はダースフィールド)、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)が台頭し、厳しいレギュラー争いに巻き込まれている中、「メンバーに入るためにみんな必死だし、これだけレギュラー争いが激しいと一瞬たりとも気が抜けない。ピリピリした感じ、緊張感はすごく僕自身も充実していて、楽しんでいる」と現在の心境を語る。

 一方、過去3大会を戦った経験から「レギュラー争いがありつつも、チームとして一つにまとまって、一つの目的や方向に進まないといけない」と強調。「メンタリティーの部分ではみんな海外でやっているし、W杯を経験している選手もいるので問題ない。あとはディテールのところ」と述べ、W杯本大会を見据えたチームの戦い方を定めていく必要性を口にした。

「アメリカ代表と戦うけど、ドイツ、コスタリカ、スペインをイメージしながら、ピッチの中で起きることを想定して戦わないといけないと感じている。これは選手の中でも話しているし、監督、スタッフとも連係を取ってコミュニケーションを取れているので素晴らしい時間になっているのは間違いない」

 そう手応えを語った長友は23日に対戦するアメリカ代表の裏に、W杯本大会初戦で挑むドイツ代表の存在を見ている。「ドイツ代表のイングランド戦とイタリア戦のデータも見たけど、ポゼッションで60%を超えていたりする。ボール保持のところで圧倒しているが、前からプレスをかけて相手陣地でサッカーをする。そこはアメリカも結構前からガンガン来るので、そこはどういうふうにプレスを剥がしていくか」。アメリカのハイプレッシャーを警戒しつつ、「プレスが来たときにどうポジション取って、どう連動して出せるかというのは話せている」と取り組みが進んでいることを明かした。

 また守備面でもドイツ代表のポゼッションに対し、どうプレッシャーをかけていくかが試される。

「僕らも前から行きたいけど、なかなかイタリア、イングランドも行っているけど簡単に剥がされて前に持ち運ばれたりしているので、そこは頭に入れつつ、時間帯、勝っている負けているのシチュエーションを踏まえて、前から行くべきか、守ってショートカウンターを狙うかというのは、もっとチームの中で共通認識を持っていかないといけない。ディテールはもう少し詰めたい」

 そう現状認識を明かした長友には、プレッシングを剥がされた場合の対応力も期待される。「剥がされた時に前の選手がもちろんプレスバックをするのも大事だけど、後ろの選手が堂々と構える、出るべきなのか、制して帰りを待つのかは後ろのDFの選手と、中盤の選手の経験がすごく必要になってくる」。イメージを膨らませつつ、「経験ある選手はたくさんいるし、慌てることなく対応できるんじゃないかと思う」と自信ものぞかせた。

 そうしたディテールを整理するにあたり、チーム内での原則の整理、共通認識の構築も欠かせない点になる。その点について長友は大きな手応えを語った。

「すごくいいディスカッションが日々、ミーティングでもそうだし、練習の中でも繰り広げられている。初戦がドイツだけどみんなかなり意識していて、どういうふうにプレスに出るのか、出るのか出ないのか、ブロックをつくって持たせての感覚ですよね。そこで本当に大事なのは、W杯で緊張感がすごい中でもナーバスにならないこと」

 そうした議論の中では「若い選手たちからも意見が出ている」と長友。「そういうディスカッションできているのはすごくいい時間だし、緊張感がある中で話し合えていて、今までの代表ではなかなかここまで意見を言い合える関係性はなかったんじゃないかと思う。若い選手もベテラン選手たちも言ってくるし、こういうプレスをかけたいとか、こういうプレーをしたいとかディスカッションできている。より繊細に詰められていると思う」と若手の姿勢を歓迎していた。

(取材・文 竹内達也)

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