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トップ下で輝いた鎌田大地、先制弾もサラリ「ドイツ、スペインはもっとクオリティがある」

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MF鎌田大地(フランクフルト)

[9.23 キリンチャレンジ杯 日本 2-0 アメリカ デュッセルドルフ]

 カタールW杯へ“仕上げの作業”が求められるドイツ遠征。W杯出場国アメリカ相手の決勝ゴールで好発進に導いたMF鎌田大地(フランクフルト)だったが、試合後の受け止め方は冷静だった。「1点取れてチームの勝ちにつながったので結果的にはよかったけど、決められるシーンもたくさんあったし、そこは課題」。相手GKに阻まれ続けた決定機に目線を向け、自身に高いレベルを突きつけていた。

 とはいえ、4-2-3-1のシステムを久々に採用した中、布陣のキーマンとなるトップ下の鎌田が結果を出したのは収穫だった。前半25分、MF伊東純也(スタッド・ランス)のパスカットを起点としたカウンターからMF守田英正(スポルティング)がつなぎ、最後はペナルティエリア左でフリーになっていた鎌田がフィニッシュ。一度はオフサイドが宣告され、VARによるゴール判定となったが、ギリギリのパスワークに支えられた美しい速攻だった。

 鎌田自身も「ああいうところに入っていけているのが大事だし、回数を重ねることが大事」とシュートシーンには手応え。また得点に至らなかった局面も含め、自身の多くのチャンスにつながった連係については「守から攻、攻から守のトランジションで選手それぞれが良くできていた」と述べつつ、周囲への感謝を口にした。

「今日に関してはショートカウンターがすごくハマっていたし、チームとしてすごくコンパクトでやりたいことができていた。逆に僕以外の選手はなかなかチャンスはなかったけど、(久保)建英があれだけ守備をしてチャンスを作ったり、前田大然がスプリントをしてくれたり、僕自身も他の選手たちがやってくれているからあそこに入っていける力があった。今日はうまくチームとして機能していたと思う」

 一方、鎌田から発された言葉の端々からは、W杯本大会で求められる基準への意識が感じられた。

 手応えがあったはずのショートカウンターについては「自分たちはサイドに出てコンパクトにして、中に入れさせるということで奪いどころも決まっていた。ある程度、みんなが納得できるもので、理解してできていたのが良かった」としながらも「彼らのクオリティーと、W杯でやる相手のクオリティは違うと思うけど……」という注釈がついていた。

 また4-2-3-1の出来についても「僕個人としては間違いなくいいオプションの一つだとは思うけど、やり方はいろいろある。ドイツ、スペインはもっとクオリティもある」と前置きした上で、「最適解を探すのは監督。自分たち選手はたくさんのいいオプションを用意するのができること。どれで行くかは決まっていないと思うけど、いいオプションにはなった」と話すにとどまった。

 W杯本大会の初戦はちょうど2か月後。ドイツ、コスタリカ、スペインという強敵相手に勝ち点を奪っていくことが求められる中、欧州CLの舞台でしのぎを削る26歳はさらに高みを見据えていた。

(取材・文 竹内達也)
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