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U-16日本代表の第3戦は夏からの成長示す大一番…7日「一番苦手」な難敵U-16シリア代表戦へ

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2連勝中のU-16日本代表が“難敵”U-16シリア代表戦へ

 中東のヨルダンで開催中のAFC U-17アジアカップ予選を戦うU-16日本代表は中1日の4連戦を2試合目まで消化。初戦のU-16フィリピン代表戦を3-0、続くU-16トルクメニスタン代表を7-0と撃破してみせた。第1戦は初戦ゆえの難しさを乗り越え、第2戦では先発全員を入れ替えつつ、「相手のエンジンがかからない内に飲み込んだ」(森山佳郎監督)会心のゲームを演じて勝ち切った。まず順調なスタートと言えるだろう。

 ただ、指揮官は試合後、「(2試合勝ったことで)フワンとした雰囲気にならないようにしなければ」と勝って兜の緒を締め直す。第3戦の相手となるU-16シリア代表が難敵なのは分かっているからだ。

「(シリアは)トルクメニスタンよりも出力や球際があって、苦手なロングボールのバトルを好んでくるチームで、日本としてはやりにくい相手。しかも向こうは中3日でピンピンの状態で来るし、負けたら終わりの状況にあるので、必死に戦ってくる」

 力押しで来るストロングスタイルのチームは、日本の、特に中学年代のJユースでは殆ど観られないので、コロナ禍で国際試合を経験していなかったこの世代の選手たちには対抗した経験した自体が乏しい。8月のウズベキスタン遠征では、U-16イラン代表、U-16ウズベキスタン代表などのパワフルな相手に対して「個人と個人がシンプルに競り合う部分でガタガタにされてしまった」(森山監督)結果、敗北を重ねた。その反省を各選手に所属チームへ持ち帰らせて再集合した今回、指揮官は選手たちの意識について「変化は感じている」と手応えを話す。

 トルクメニスタンとの第2戦では、その遠征でのパフォーマンスが悪かった選手が多くスタメンで出場しているが、MF杉浦駿吾(名古屋U-18)が「ここで負けたら次のチャンスはないと思っていた」と話し、DF山田佳(前橋育英高)が「あの遠征のあと、チームに戻ってやってきたものを出して借りを返す場」と位置付け、球際の攻防含めて違いを出した。シリアはそのトルクメニスタンよりもパワフルなスタイルだが、「1試合ずつ成長していく」ことをテーマに掲げるチームにとっては格好の相手とも言える。

「僕らにとっては一番成長するチャンス。シリアみたいなスタイルが一番苦手。だからこそここでやって乗り越えられるのは大きい」(森山監督)

 6日は芝生の上でのトレーニングを回避して滞在中のアンマン市内を散策するなどリフレッシュに努めた上で、この試合に臨む。夏の遠征で「本当にまだまだ足りない」(木吹翔太/広島ユース)ことを突き付けられたところからの成長を見せられるか。残り2試合、あらためてチームの成長力が問われることとなる。

(取材・文 川端暁彦)
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