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初先発の藤野あおばが圧巻プレー! なでしこJは宮澤ひなた&植木理子弾でニュージーランドを撃破、10月シリーズ2連勝

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MF藤野あおば

[10.9 MS&AD杯 日本 2-0 ニュージーランド 長野U]

 日本女子代表(なでしこジャパン)は9日、MS&ADカップ2022でニュージーランド女子代表と対戦した。試合は2-0で日本の勝利。10月のインターナショナルマッチデー(IMD)を2連勝で飾った。

 6日の国際親善試合・ナイジェリア女子代表戦(○2-0)から中2日で行われた一戦。池田太監督は、6日の試合から先発メンバーを6人変更し、試用中の3-4-3のフォーメーションで臨んだ。

 ゴールマウスにはGK山下杏也加が立ち、3バックは左からDF南萌華、DF熊谷紗希、DF高橋はなが並ぶ。ダブルボランチはMF林穂之香とMF杉田妃和が組み、左のウイングバックにMF遠藤純、右のウイングバックにDF清水梨紗。3トップは左にMF宮澤ひなた、右にMF藤野あおば、先頭にFW植木理子が入った。

 試合は立ち上がりから日本がボールを握り、積極的に攻撃を仕掛けていく。なでしこジャパン初先発となった藤野にボールが集まると、右サイドを起点に攻撃を構築。植木の関わりや清水のオーバーラップからゴールに迫った。

 前半4分には、ペナルティーエリア内右でボールを受けた藤野が果敢に右足を振ると、パンチのあるシュートがゴール左方向へ。試合開始ちょうどに振り始めた雨を上手く使い、ゴール手前でバウンドさせるも、ニュージーランドのGKビクトリア・エッソンに弾き出された。

 日本は前半9分に右サイドのコーナーキックから藤野がボールを入れると、高橋が空中で競り合ったあとのこぼれ球に熊谷が反応。反転気味に放ったシュートは、枠を捉えることはできなかった。同15分には、左サイドを駆け上がった遠藤のグラウンダーのクロスに植木が飛び込むも、手前でカットされてシュートを打つことはできない。

 ただ、1点が遠い中でも相手のビルドアップに植木、宮澤らが前線からプレスをかけてパスコースを限定。2列目、最終ラインで組織的に奪い、そこから攻撃に転じた。

 前半43分には、自陣右サイドでボールを持った高橋から縦にボールが入ると、藤野が植木の位置を確認し、フリックで背後へ流す。そのままスピードでマークを剥がし、植木からのリターンを受けると、ゴール前にクロス。フリーで受けた遠藤が、シュートを放ったがゴールネットを揺らすことはできなかった。

 それでも、前半44分に日本が試合を動かす。左サイドから攻撃を仕掛けると、宮澤が遠藤に預けてボックス内へ。遠藤から植木、植木から遠藤とボールが移動し、最後は宮澤の元に。右足で冷静に流し込み、先制点を挙げた。

 前半終了間際の得点でリードを手にした日本は、ハーフタイムで選手交代。杉田を下げて、MF長野風花をピッチへ送り込んだ。後半は、立ち上がりに勢いを持って入ってきたニュージーランドに苦しむ時間帯が続く。同4分には右サイドのコーナーキックから危ない場面を作られるも、全員で守り抜いた。

 時間が経ち試合が落ち着いてくると、日本は最終ラインから組み立てを図る。林が良いタイミングで相手の間に顔を出し、長野やウイングバックの選手が良い距離間でサポート。前線の3枚も連動した動きでボールを呼び込んだ。

後半も主導権を手にした日本。すると、同16分に追加点が生まれた。ペナルティーエリアの左角でボールをキープした長野が、ワンフェイクからゴール前に右足でクロス。植木が頭で押し込み、リードを広げた。

 日本は後半24分、林に代えてDF宝田沙織を投入。宝田を3バックの左に入れ、南を真ん中に。熊谷が一つ前にずれてボランチに入った。同31分には、敵陣中央でボールを受けた藤野が、自らドリブルで持ち込み左足でシュート。しかし、ボールは僅かにゴールの左に外れた。

 試合を優位に進める日本は、後半37分に2枚替え。高橋、遠藤を下げてDF乗松瑠華、MF小山史乃観をピッチへ送り込んだ。U-20日本代表から選ばれた小山は、なでしこジャパンデビューとなる。

 試合終盤には、清水が自陣ペナルティーエリア内で落ち着いた対応を見せると、走力と正確なキックで攻撃を創出する。日本は後半45分に宮澤を下げてDF宮川麻都を投入。最後まで攻守に圧倒し、ニュージーランドに2-0で勝利した。

(取材・文 成田敏彬)

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