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3バックで連勝のなでしこJ、ボランチでもプレーした熊谷紗希「いいシミュレーションができた」

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[10.9 MS&AD杯 日本 2-0 ニュージーランド 長野U]

 新システムの3バックで戦った2試合を前向きに評価した。日本女子代表(なでしこジャパン)のDF熊谷紗希(バイエルン)は「チームとして新しいチャレンジをして、2試合でいいシミュレーションができた」と、6日のナイジェリア戦(○2-0)に続く2連勝で締めくくった国内2連戦を総括した。

 昨年の東京五輪後、就任した池田太監督の下、4-4-2と4-2-3-1をベースに戦ってきたなでしこジャパンだが、3日前のナイジェリア戦に続いて3-4-3の新システムを採用。ナイジェリア戦は3バックの左センターバックを務めた熊谷はこの日、3バックの中央に入った。

「(所属する)バイエルンでも左をやっていて、真ん中の選手が押し出してくれると自分も前に行きやすい。そこを意識して、(自分の)脇の選手を力強く押し出せるように意識した」

 後半24分からはダブルボランチの一角でプレー。「チームとして守備的というか、(リードしている展開で相手の反撃を)抑えたいときの形だとは思う。(自分がボランチに入ったときに)どんな形になるか模索できた」。あくまで逃げ切りたいときのオプションとしてではあるが、来年7月に開幕する女子W杯に向け、システムだけでなく、選手個々のポジションという意味でもさまざまなテストができた2試合だった。

 FIFAランキングで日本よりも下位になるナイジェリア、ニュージーランドとの2連戦。熊谷は「良い意味で良い相手と3-4-3のシミュレーションができたと思う。もっと強い相手とやるときに機能するのか。4-4-2と組み合わせてチームとしてやっていきたい」。来月11日にはスペインのムルシアでイングランド女子代表と対戦する。

 今年7月にイングランドで開催された欧州女子選手権(女子EURO)で初優勝を飾り、7日の国際親善試合ではFIFAランキング1位のアメリカを下したイングランド女子代表。熊谷は「欧州チャンピオンだし、アメリカも倒して勢いに乗っている。でも、ここで勝たないとW杯で勝てない。個々がしっかり準備して、個々が積み上げたものをチームとしてぶつけたい」と、W杯に向けて大きな試金石となる一戦へ意気込んだ。

(取材・文 西山紘平)

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