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成長へとつなげた「ボコボコにされた経験」…4戦連続完封のU-16日本代表、ヨルダン撃破で全勝突破!!

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チーム2点目を叩き込んだU-16日本代表FW道脇豊(熊本ユース)

[10.9 U17アジアカップ予選 U-16日本代表 2-0 U-16ヨルダン代表 ヨルダン]

 いざ、最終予選へ。9日に行われたAFC U-17アジアカップ2023予選グループA第5節でU-16日本代表はU-16ヨルダン代表と対戦。

 現地時間21時という日本の選手にとっては「みんなが初めてだと思う」という遅い時間のナイトゲーム。しかも、ここまでの3試合はすべて昼の試合だったので、「中1日で昼、昼、昼と同じ時間の試合が続いたあとに、21時開始。しかもヨルダンはずっとその時間で試合をしてきているという差もある」(森山佳郎監督)。

 こうした指揮官の不安が的中するように、日本のプレー内容は立ち上がりからピリッとしない。1トップの豪傑FWイブラヒム・ムハンマド・サブラを中心としたカウンターに苦しめられる場面も多く、前半8分にはドリブルで完全に切り崩された形から、FWアミン・カリフ・アブカリファにゴールバー直撃のシュートを浴びるなど決定機も作られてしまった。

「ヨルダンの7番(サブラ)が本当に強烈で、何度もやられかけた。ジジ(DF本多康太郎=湘南U-18)も『やられました』と悔しそうにしていたほどだった」(森山監督)

 ただ、こうした嫌な流れの時間をカバーし合ってしのぎつつ、日本の選手たちも徐々にエンジンをかけていく。そして前半28分、左サイドの高い位置でのプレッシングでMF佐藤龍之介(FC東京U-18)がボールを奪うと、FW道脇豊(熊本ユース)の正確なポストプレーからDF吉永夢希(神村学園高)が左サイドを抜け出してクロスボール。これが相手DFに当たってオウンゴールとなり、日本に先制点が生まれた。

 さらに前半38分には「高橋範夫GKコーチからの『仕掛けろ!』という声が聞こえてうまくやれた。自分でもビックリするくらいの良いボールを蹴れた」と笑ったDF柴田翔太郎(川崎F U-18)の鋭いクロスから道脇がニアサイドで「まるでプロのストライカーのような」(森山監督)強烈ヘッドを合わせて、2-0。これは勝たなければ予選突破のないヨルダンにとって重い一発となった。

 後半に入るとヨルダンに疲労の色もある中で、日本ベンチは「来年の最終予選に向けて、あえて試合の流れとは関係のない交代になった」(森山監督)と、次々と選手をピッチに送り出す。アウェーの雰囲気の中で必死に戦う相手に何を出せるかを問うた形で、結果的に日本のペースはやや後退。追加点は奪えず、しかしゼロ封には成功する形で90分を終えることとなった。

「色々と言いたくなるようなプレーもあったけど、みんな集中して相当なハードワークをし、最後まで戦ってくれた。このチームの課題だった球際、地上戦でのデュエルについても戦ってくれた」(森山監督)

 大会前のウズベキスタン遠征では「イランとウズベキスタンに連続で3失点してボコボコにされた」(森山監督)と自信とプライドに傷がつくような試合をしてしまった。だが、「本当にあの遠征に行けたことが大きかった。ボコボコにされた経験、そこで得た学びを活かして0点に抑えられた」。

 決して楽な相手ではなかった4戦すべて複数得点を挙げて無失点で勝ち切り、全勝突破。「4試合全て歯応えのあるゲームになった」(森山監督)ことで、コロナ禍の影響で国際経験の不足していた世代に経験値を蓄えることもできた。

 ただ、「最終予選は甘くない」(森山監督)。日本を「ボコボコにした」イランやウズベキスタンを倒し、U-17W杯への切符を手にするのは簡単ではない。今回のチームの戦いはこれで一区切りだが、世代としての戦いはここからが本番だ。

(取材・文 川端暁彦)
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