日本代表の森保一監督は1日、都内で記者会見を行い、カタールW杯に出場する日本代表メンバーを発表。26名を伝え終えた後、いまの心境を問われて「四文字熟語でいうと行雲流水」と語った。

　行雲流水とは「空と川を流れる雲と水のように、執着心もなく物事に対応して行動する」ことを意味する。会見スタート直後には、選手たちに思いを巡らせて声を震わせたが、選考発表を終えて晴れやかな表情をのぞかせた。

　メンバー決定に関しては今朝、最終的な決断をしたという。きのうまでスタッフとのミーティングを重ね、選手の状態と本大会の想定を加味した上で26人を決定した。「緊張していますけど、W杯本大会での戦いを考えたときには非常に楽しみです。ワクワクする気持ちはありますけど、気持ちの高揚はあまりない。普段やっていることをW杯に向けてつなげていくということを、自然体で考えている」(森保監督)。改めて“行雲流水”の意を説いた。

　森保監督自身も、選手時代に1994年アメリカW杯出場を逃す“ドーハの悲劇”を経験した。今回奇しくも指揮官として、悲劇の地・カタールに降り立つ。「私自身も悔しく、悲しい思い入れのある場所と認識する。しかしながらリベンジとは思っていない。素晴らしい選手やスタッフ、サポーターとともに、カタールW杯で戦うことを楽しみにしています。 “ドーハの悲劇”を“ドーハの歓喜”に変えるように、最善の準備をして選手たちに思い切ってプレーをしていただき、みんなで喜び合えるようにしていきたい」。カタールに向かう気持ちの準備は整った。

(取材・文　石川祐介)

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