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【StatsBomb×ゲキサカ】テクノロジーを使って調べてみた…日本代表選手に似ている欧州5大リーグの選手は?:久保建英編

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 サッカー界では近年、テクノロジー活用が急速に進行しており、試合中にもさまざまなデータが集められている。走行距離、スプリント数といったJリーグでもおなじみの数値だけでなく、パス成功数、ドリブル成功数、インターセプト数、タックル数などプレー内容に関する数値もいまや当たり前。「ゴール期待値」など価値判断を含んだ指標も続々と編み出され、データをピッチ内のクオリティー向上に活かそうという取り組みがなされている。

 イギリスの『STATSBOMB』もそうしたサッカーに関するデータを扱う企業の一つだ。同社は前述のような基本的な数値に加え、相手へのプレッシャー、位置ごとのプレー成功率、シュートインパクト時のボールの高さなど、3000項目以上の細かいデータを集計。またボールポゼッション時のプレー価値を示す「OBV(On-Ball Value)」という指標を考案し、選手のキャラクターを詳細に数値化している。

 また同社のサービスでは「OBV」を組み込んだレーダーチャートを選手ごとに作成し、似たような特徴の選手を探すことができる「シミラー・プレイヤー(Similar Player)」という機能を搭載。もし、とあるクラブの選手が他クラブに移籍する可能性が出てきた場合、後継者候補を世界中から探し出せるようになっている。

 『ゲキサカ』では『STATSBOMB』社協力のもと、日本代表を支える若手選手たちの「Similar Player」を調査。シリーズ5人目はスペインの強豪ソシエダでレギュラーポジションを掴み、カタールW杯の日本代表メンバーにも選出されたMF久保建英だ。

 10歳からバルセロナで過ごした久保は15歳で帰国した後、FC東京の育成組織でプレー。18歳になった直後にレアル・マドリーに加入し、昨季までマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェで武者修行を続けていた。今季からはR・マドリーを離れ、ソシエダに完全移籍。4-3-1-2の2トップの一角で飛躍のシーズンを過ごしている。

 以下の図は、昨季の久保のレーダーチャートをラ・リーガのウインガー平均と比較したもの。残留争いを繰り広げるマジョルカでプレーしていたこともあり、先ほど紹介した「OBV」では平均をやや下回ったが、「ドリブル&キャリーOBV」「シュート」「ファウル獲得数」でリーグ平均を大幅に上回っていることがわかる。


 さらにこうした久保のレーダーチャートの形状を踏まえ、欧州5大リーグから「Similar Player」を検索。するとシュツットガルトのMFニコラス・ゴンサレス、ローマのMFニコロ・ザニオーロ、サンテティエンヌのMFアルナウド・ノルディン、セビージャのMFアドナン・ヤヌザイの名前が出てきた。ヤヌザイは昨季までソシエダでプレーしており、こうしたスタッツの類似が獲得につながった可能性もありそうだ。

 さらにこの機能を使うと、J1・J2でプレーする選手と比較することもできる。プレーレベルが異なることは留意しなければならないが、久保に似ている選手としてMF杉山直宏(熊本)、FWアダイウトン(FC東京)、FWマテウス・カストロ(名古屋)、FWチアゴ・アウベス(岡山)が並んでいる。


 次回はMF堂安律(フライブルク)の「Similar Player」を紹介する。

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