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高校時代ノートに書いた道筋「日本代表の10番でW杯へ」、中村俊輔が振り返るスタートライン

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引退会見に臨んだMF中村俊輔

 元日本代表MF中村俊輔(44)は10日、横浜市内のホテルで引退記者会見を開いた。カタールW杯に臨む日本代表に「本番までに大きな怪我はしないで、がんばってほしい」とエールを送った。

 中村は2006年ドイツ大会、10年南アフリカ大会と2度にわたりW杯を経験した。世界最高峰の舞台に「日本の代表としてW杯に出ることは目標、誇りですね」と振り返る。代表キャリアは「両大会とも結果を出せずに終わりましたけど、自分の力の無さに気づく場所だった」と悔しさも伴った。だが、そこからの成長には胸を張る。「また次に目標を立て直して……ということが自分のサッカー人生の繰り返し。いいこともあれば、挫折することもある。でも、そのたびにちょっとずつ上に上がれた」。

 日本代表の背番号10としてW杯へ。その始まりは桐光学園高時代に書いたノートだったという。「サッカーノートを書くようになって、漠然と中期、長期と目標を変えていった。その目標をどんどん越えていった」。当時は強く意識していなかったと謙遜するが、最終目標は「代表で10番を着けてW杯へ」。一歩ずつ乗り越え、夢を叶えてみせた。サッカーキャリアを通じて「目標に向かって努力できたこと」を最大の誇りとした。

 周囲の環境に恵まれたことも強調する。プロキャリアをスタートさせた横浜マリノス(現横浜F・マリノス)では、日本代表メンバーが在籍。「井原(正巳)さんと川口能活さんは、マリノスに新人で入ってすぐに気づいた。プロってこうなんだ、代表の上まで行くにはこうなんだって」。尊敬する選手には、ともに戦った中澤佑二氏や4度目のW杯に臨む長友佑都の名前も挙げる。「(長友は)成長の仕方に興味があった。その話はしていた。向上意欲や私生活、姿勢は僕も学ぶ点がたくさんあったので尊敬できます」。

 日本代表のレジェンドは、カタールW杯を遠方から見守る。日本代表へのメッセージを問われると「エールはちょっとおこがましいですけどね」と控えめ。だが「本番までに大きな怪我はしないで、がんばってほしい」と力を込める。「僕らの前の先輩たちがW杯に行けなかったり、ドーハ(の悲劇)だったりを見てきた。次世代の子どもたちのために、日本のために、がんばってもらえれば」。日本サッカーの未来を走る選手たちに期待を寄せた。

(取材・文 石川祐介)
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