[11.11 国際親善試合 日本 0-4 イングランド]

　日本女子代表(なでしこジャパン)は11日、スペインのムルシアで行われた国際親善試合でイングランド女子代表と対戦し、0-4で完敗した。

　10月の代表活動から約1か月。ナイジェリア女子代表とニュージーランド女子代表に2連勝したなでしこジャパンは、来年の女子ワールドカップの対戦国も決まり、世界一を見据えた明確な強化を進めていきたい。

　そうした目論見もある今回の強化試合。池田太監督は、欧州チャンピオンでFIFAランク4位のイングランドとの一戦に3-4-3のフォーメーションで臨んだ。ゴールマウスにはGK山下杏也加が立ち、3バックは左からDF南萌華、DF熊谷紗希、DF三宅史織が並ぶ。ダブルボランチはMF遠藤純とMF長野風花が組み、左のウイングバックにMF遠藤純、右のウイングバックにDF清水梨紗。3トップは左にMF宮澤ひなた、右にMF長谷川唯、先頭にFW岩渕真奈が入った。

　日本は、試合立ち上がりからイングランドのスピードに苦しむ。イングランドは、球離れの早いパスワークで試合を組み立てると、サイドを起点に攻撃を展開。日本はクロスの対応に追われた。

　それでも、徐々にボールを握ると、一時は一進一退の攻防に。ただ、その強度は大と小のようなもので、前半20分にカットインから長谷川が左足を振り抜き、やっとの思いでファーストシュートを放った。同26分にはイングランドにチャンスを作られ、左サイドのクロスからFWアレッシア・ルッソにヘディングシュートを打たれた。

　ここまで最終ラインのところで耐える日本だが、押し込まれていることもあり、ミスも目立つ。前半31分には、南のパスをカットされ、ショートカウンターからイングランドのFWベス・ミードにシュートを放たれたが、ここは山下が好反応を見せてシュートコースを変えた。

　しかし、ゴール前でのミスが続くと、そこから日本は先制点を許す。前半38分、イングランドに左サイドからクロスを送られ、ゴール前が混戦状態となると、ペナルティーエリア内でルーズボールを拾った杉田がサイドに逃がそうとする。だが、そのパスをイングランドのDF{レーチェル・デイリー}}にカットされると、そのままゴールニアサイドにシュートを突き刺された。

　日本は1点ビハインドで前半を折り返すと、後半立ち上がりも守備の時間を過ごす。するとイングランドは後半8分、右サイドをスピードで抜け出したミードのグラウンダーのクロスがゴール前を通過すると、逆サイドから走り込んだFWクロエ・ケリーがニアサイドに豪快に放ち、ゴールネットを揺らした。

　なおも、相手にボールを握られた日本は、奪ったボールから大事に試合を組み立てたい。長谷川が中央に降りてきて、ボールに関わり、攻撃の機会をうかがった。しかし、少しのズレからゴール前までボールを運ぶことができない。ボールロストから守備に回る。

　後半32分には、ペナルティーエリア内左でFWエボニー・サーモンのパスを受けたFWエラ・トゥーンに流し込まれて0-3。同42分には、途中出場のMF藤野あおばと長谷川が立て続けにミドルシュートを放つも、反撃弾とはならなかった。すると日本は、同45分にイングランドのMFジェス・パークに4点目を決められて万事休す。欧州女王に0-4で完敗した。