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“最後の試練”乗り越えたFW浅野拓磨が決意のカタール入り「常にここしか目指していなかった」

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FW浅野拓磨(ボーフム、写真右)

 間に合うか間に合わないかギリギリのタイミングの負傷ではあったが、それを「不幸中の幸いだった」と捉えられる強さがあった。9月10日のブンデスリーガ第6節シャルケ戦で右膝内側靱帯断裂の大けがを負い、公式戦から約2カ月間離れた状態でカタールW杯メンバー入りを果たしたFW浅野拓磨(ボーフム)が、14日から日本代表の練習に合流。「問題ないです。チームにも全体合流して、試合に出る準備もしていた。無理をしないという判断になったが、その分、最後まで自分の練習をできた」と晴れやかな表情を交えながら語った。

「まずここにいられることがすべて。メンバーに入れなかったら、どうもがいても準備のしようがない」。カタールの地を踏んでいる実感を噛みしめるように言った。

 9月に負傷した際は「検査するまでどれぐらいのケガか分からなかったが、『ここでか』というのはすごく感じた。なかなかサッカーの神様が簡単には僕を良い方向に行かせてくれないなと感じた」と本音を吐露。しかしその反面で「これ以上やれることがないことをやったつもり。あとは森保監督の判断にゆだねるだけだと思っていた。最後の最後まで僕の中では五分五分かなと思っていた」とも言い、「人事を尽くして天命を待つ」の心境だったことを明かした。

 最後まで諦めずに来られたのは、4年前のロシアW杯での悔しさがあるからだ。当時、日本代表はW杯開幕2カ月半前の4月にバヒド・ハリルホジッチ監督から西野朗監督へ指揮官が電撃的に交代。浅野は5月30日に行われた国際親善マッチ・ガーナ戦の27人のメンバーには入ったが、最後の最後にふるい落とされ、ロシアにはバックアップメンバーとして帯同した。そして、メンバー変更の締め切りの翌日にあったグループステージ初戦のコロンビア戦を見届けてからチームを離れた。

「前回のW杯、ロシアを離れた瞬間からここしか見てこなかった。常にここしか目指していなかった」という浅野。「目標は毎試合ゴールを取ってチームの勝利に貢献すること。ベスト8以上、それ以上、優勝できると本気で思っている、口だけじゃなく心の底から『俺らできる』と思っている」と力強く言った。

(取材・文 矢内由美子)
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