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苦しむ10番の復活なるか…“最終テスト”カナダ戦へ南野拓実「すごく調子が上がっている」

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 森保ジャパン発足当初から攻撃の中心を担ってきた日本代表MF南野拓実(モナコ)が、4年間の集大成となるカタールワールドカップを厳しい立場で迎えようとしている。9月のドイツ遠征では主力組が出場したアメリカ戦(○2-0)で出番を得られず、サブ組が出場したエクアドル戦(△0-0)では不完全燃焼のまま途中交代。各国リーグで活躍を見せるMF鎌田大地(フランクフルト)、MF久保建英(ソシエダ)の台頭を受ける形で大きく序列を下げていた。

 それでも森保監督の信頼は揺るがず、FW大迫勇也やMF原口元気といったベテラン勢が落選した中でもW杯メンバー入り。ピッチに立つためにももう一つポジション争いの壁が立ちはだかるが、かねがね語ってきた「反骨心があったからいまの自分がある」というリバウンドメンタリティーを発揮できるかが試される大会となる。

 そんな南野は14日夜、W杯が行われるドーハに到着し、15日夕からトレーニングに合流。終了後の囲み取材では「自分自身のコンディションとしては、すごく調子が上がっている」と自信を示した。6日のリーグアン・トゥールーズ戦ではアシストを記録したにもかかわらず、前節のマルセイユ戦(●2-3)では出場なし。それでも直近のプレーには手応えがあるようだ。

「自分がいいプレーをできている時って、外から躍動感があるなという動きとか、チャンスに絡んでいく姿勢とか、そういうのが出せている時だと思う。その感覚はプレーしていてちょっとずつあったし、それは自分にとっていいサイン」。今夏のモナコ移籍以降、出場機会は限られているものの、徐々に状態が上がっている実感があるという。

「2年間しっかりシーズンを通して試合に出られなかったのでリズムを取り戻すことも必要だったし、90分間の中でのペース配分とか、どこで無理をするかの細かいところ。そこを考えてプレーしているわけではないけど、感覚的なフィーリングの良くなかったところが良くなってきている。このままやっていけたら」

 日本代表では9月以降、FW浅野拓磨(ボーフム)、MF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(スポルティング)、DF板倉滉(ボルシアMG)、MF三笘薫(ブライトン)、DF冨安健洋(アーセナル)といった主力陣にさまざまなアクシデントが続発。そうした沈滞ムードを打破するためにも、これまでチームを背負ってきた選手たちの奮闘に期待がかかる。

 南野は「いまは怪我人も多いけど、こういう短期決戦なのでいろんなネガティブな要素を忘れてというか、開き直ってというか、そういう気持ちで戦うのが大事だと思う。自分にとっても初めてのW杯だし、できることを最大限やりたい」と力を込めた。

 そんな気合もまずは試合に出てこそ。そのためにはW杯前ラストマッチとなる国際親善試合・カナダ戦(ドバイ)でのアピールが欠かせない。「個人的には試合に出たらゴールとかアシストとか結果を出したいと思っているし、チームとしてもこれをただの練習試合と捉えるんじゃなく、何かを掴んで、自分たちの力を証明して、その上で初戦を迎えたい気持ちはみんなあると思う。全力でプレーしたい」。森保ジャパン最多の41試合に出場し、最多タイ17ゴール8アシストを挙げるなどチームの顔として戦ってきた南野。その集大成の舞台に中心選手として立つべく、まずはドバイの地で自身の価値を証明するつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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