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ブラインドサッカー日本代表は準決勝敗退でパリ・パラリンピック遠ざかるも…アジア3位で大会終える

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ブラインドサッカー日本代表は3位入賞

 ブラインドサッカー日本代表は18日、IBSA ブラインドサッカーアジア・オセアニア選手権 2022の3位決定戦でイラン代表に勝利。0-0でPK戦の末、2-1で3位入賞を果たした。日本はグループリーグを首位通過したものの、17日の準決勝ではタイ代表に0-0の末、PK戦は1-2で敗退。しかし最後の3位入賞で、大会を勝って終えた。

 優勝すれば2024年パリ・パラリンピック出場が決まる今大会。日本はグループリーグを全勝で勝ち進んで首位通過したが、準決勝はPK戦の末にタイに惜敗した。すでに4位以内が決まっているため、もうひとつのパラリンピックルートである23年8月の世界選手権出場は決定。少しでも順位を上げるべく、3位決定戦ではグループリーグ最終節で勝利したイランとの再戦に臨んだ。

 日本のスタメンは川村怜佐々木ロベルト泉、鳥居健人、平林太一、GK佐藤大介。接戦の末、前後半を通じてスコアレスで決着はつかず。勝敗はPK戦に委ねられた。準決勝のPK戦ではタイに1-2で敗戦。その悔しさを晴らすべく、2試合連続のPK戦に挑んだ。

 PK戦は3人対3人で行われ、決着がつかなければサドンデスとなる。日本の1人目は園部優月。渾身の右足シュートはゴールネットを揺らした。相手の1人目をGK佐藤は止めきれず、さらに日本の2人目・鳥居も止められて1-1の同点。だが、相手の2人目のキックはゴール枠外に外れ、日本の優位となる。日本は3人目の川村がしっかりと決め切って2-1とリード。するとイランの3人目は大きく外す。試合は終了し、日本が2-1で3位入賞を決めた。

 日本は3位入賞で、決勝で勝利した中国が優勝、タイが準優勝に終わった。また、通算9得点を挙げた黒田智成が得点王を受賞した。4位以内となった日本は世界選手権の出場権を獲得。23年8月にイギリス・バーミンガムで開催される世界選手権で「大陸別選手権で本大会出場を決めていないチームの中から上位3か国に入る」というミッションをクリアすれば、パリ・パラリンピック出場が決まる。

 日本ブラインドサッカー協会(JBFA)を通じ、川村は「6試合戦って、無失点で大会を終えたことは、守備面は非常に評価できると思いましたし、攻撃から守備のトランジションはしっかりできて、練習の成果が出たと思う。厳しい戦いの中でも、環境に適応して戦うことができた」と手応えを語った。

 一方で、決勝トーナメントでの戦い方には課題を挙げる。「流れの中で点が取れなかったり、準決勝で敗退してしまったので、目標である優勝することができず、とても悔しいですし、ゴールを決め切る力をつけていかなければならないと実感した」と振り返った。

 得点王に輝いた黒田は「国際大会でこれまで個人タイトルを受賞したことがあまりなかったので、今大会では得点王となり、すごく嬉しかった。これも、チーム全員で高い位置から守備をして攻撃を行うという、チーム全員のハードワークの結果受賞することができたと思うので、チームの皆にも感謝したい」と喜びを噛みしめる。

 しかし、自力でのパラリンピック出場を今大会で決められず「今大会の目標はアジアチャンピオンになることだったので、その目標を達成できなかったことは、とても残念だった」と悔しさもにじませる。「今後の目標は、世界選手権で必ずパリパラリンピック出場権を勝ち取ることです。それに向けてまた皆でトレーニングを積み重ねていきたいと思います」と次の戦いに目を向けた。


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