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W杯デビュー戦で突然沸き上がった感情…田中碧「もっととんでもない選手になりたい」

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日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)

 日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)が25日、報道陣の取材に応じ、先発出場したカタールW杯ドイツ戦を高揚感をにじませながら振り返った。「もっと上手くなりたいなっていうのを、サッカーをしていて久々に純粋に感じた部分もあって、新鮮だったし、心地いいじゃないけど、なんか少年に戻ったような感覚で嬉しかった」。記念すべきW杯デビュー戦は、今後のサッカー人生に向けてもかけがえのないものとなったようだ。

 23日に行われたカタールW杯グループリーグ初戦のドイツ戦に、ボランチの一角で先発した田中。一方的な守勢の中で前半の45分間をプレーし、なんとかボールに食らいつきながら、0-1で後半に持ち込むことに成功した。後半はMF鎌田大地(フランクフルト)がボランチに下がったため、後半26分に途中交代。それでもチームは2点を奪い、歴史的な逆転勝ちを収めた。

 田中はW杯デビュー戦について次のように振り返った。

「会場の雰囲気がどうかというと、そんなになかったけど、ただ個人的に感じるものたくさんあった。それはワールドカップという舞台というのは、目で見ているよりも実際にピッチ入ったときに感じるものはたくさんあった。それはやっぱり違うなと思う」

 普段はドイツのブンデスリーガ2部でプレーしているが、あの一戦で対峙したのは1部のトップ選手たち。「別に誰かというよりは、ああいう舞台でもっとやりたいなと。それこそ前半は圧倒的にボール握られたけど、それこそドイツ相手にも何か圧倒的にボール握るようなチームにしたいなと思うし、個人としてもなんかもっととんでもない選手になりたいなというのを感じた。上を目指してはいるものの、そういうものを感じることはあまりなかったので、何か久々にそういう気持ちにさせられた。自分としてもそういう感情になるんだという驚きもあった」。あふれ出る高揚感は止まらなかった。

 そんな思いを引き出したのはW杯という世界最大の舞台装置だったのかもしれない。「ワールドカップという舞台で、やっぱりいつもとは違う。そういう中でどれだけできるかは普段のものとはまた違うものもあるだろうし、普段やっていることが出ることもあるだろうし、そういう意味ではワールドカップという舞台がそういう気持ちに自分をさせてくれたのかもしれないし、ドイツという相手だからそういう気持ちになったかわかんないけど、今までにはない感情だったのかなと思う」。胸の奥に感じていた気持ちを熱っぽく表現した。

 この舞台で湧き上がってきた成長欲は、個人だけではなく、チームにも及んだ。

「対等に戦えたかって言われると、別にそうではないと思う。その結果はあったけど、そこの部分でやっぱもっと対等にやり合えるようにならなきゃいけないなって。それは勝つ負けるじゃなくて内容のところで、自分がしたいことを思い切りぶつけて、それでどう返ってくるかっていうところまで行かなきゃいけないなって。現時点でいますぐ行けるわけじゃないし、1年後なのか2年後なのか分からないけど、それをずっと目指し続けてやらなきゃいけないなと感じている」

 そのために自分が高めなければならないのは「全部」と断言。「フィジカルもそうだし、技術もそうだし、頭の中もそうだけど、全部必要だと思う。結局サッカーはフィジカルがもう5割6割を占めると思うので、そこの底上げは必要だと思うし、それとまた技術。そのフィジカル状況での技術と頭はより高いものが求められるんじゃないかなと思う」と前を見据えた。

 何よりこの大会はまだ始まったばかり。目の前には2試合が残されており、自分たち次第でさらに長く伸ばしていける権利を持つ。まずは27日のコスタリカ戦へ。田中は「個人としては1試合目じゃなくなる以上、やっぱある程度は緊張感とかわかると思うので、少し力を抜いてプレーできる部分もあるだろうと思う。あとはここで勝つことが少なくとも一番重要なこと。勝てるようにやれればいい」と決意を示した。

(取材・文 竹内達也)
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