beacon

日本、大金星から一転窮地に…終盤失点でコスタリカに敗れる

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本は後半36分、コスタリカにゴールを許した


[11.27 カタールW杯E組第2節 日本0-1コスタリカ アルラーヤン]

 日本代表は27日、カタールW杯グループリーグ第2戦でコスタリカ代表と対戦し、0-1で敗れた。序盤からコスタリカのゆったりとしたペースに巻き込まれ、試合途中のシステム変更で攻勢に転じたが、後半35分にミスから痛恨の失点。最終節に強敵スペイン戦(12月1日・ハリファ)を控える中、決勝トーナメント進出に向けて窮地に立たされた。

 日本は劇的な逆転勝ちを収めた第1節ドイツ戦(○2-1)から先発5人を変更。GK権田修一、DF長友佑都、DF吉田麻也、DF板倉滉、MF遠藤航、MF鎌田大地の6人が引き続き先発した一方、DF山根視来、MF守田英正、MF相馬勇紀(名古屋)、MF堂安律、FW上田綺世が新たに入った。ドイツ戦で途中出場した堂安を除く4人は先発W杯デビュー。森保一監督は大胆なターンオーバーを敢行した。[スタメン&布陣]

 試合はどちらも慎重な立ち上がり。日本は序盤こそ相馬の左サイド突破を起点に押し込み、堂安がミドルシュートを狙ったが、いったんボールを奪われて以降はMFジョエル・キャンベルへの対応に手を焼き、自陣で何度もセットプレーを与えてしまった。それでも落ち着いたブロック守備でシュートを打たせず、徐々に主導権を奪回。前半8分には相手とのデュエルを制した守田のスルーパス、同13分には山根のスルーパスに抜け出した堂安のクロスでゴールに迫り、なんとか攻撃の形を示した。

 それでも前半18分、敵陣でのボール奪取からカウンターを仕掛けると、鎌田のスルーパスに山根が抜け出すもクロスは上げられず。同19分には山根の素晴らしい斜めのパスが上田の足元に入ったが、トラップが流れ、シュートは打ち切れない。その後はどちらも停滞した攻めが続き、ほとんど見せ場はなし。同35分には左サイドからのクロスを板倉がクリアし、こぼれ球を拾われたが、キャンベルの左足アウトサイドシュートは大きく枠を外れた。

 日本は徐々に3バック気味にして相手の攻撃を受け止めるようになり、やや試合に動きが出るも、前半40分、左サイドを突破した相馬のパスも鎌田に入らず、前線にミスが出る流れは止まらない。同44分には山根がプレッシングに行ったところでキャンベルを倒してしまい、イエローカード。退場リスクを突きつけられる形で、0-0のままハーフタイムを迎えた。

 森保監督は後半開始時に早くも動き、長友と上田を下げてDF伊藤洋輝とFW浅野拓磨を投入。伊藤はこれがW杯デビューとなった。布陣もドイツ戦と同じ3-4-2-1に変えると、その起用が実ってさっそく決定機。中盤から果敢なドリブル突破を仕掛けた守田が左足で狙い、GKケイラー・ナバスを強襲した。

 なおも日本の勢いは続き、後半3分には遠藤のミドルシュート、山根のクロスに合わせた浅野のヘッドとチャンスを連発。同7分には吉田のフィードから一発で浅野が抜け出そうとする場面もあった。同12分、左サイドで受けた相馬がカットインから右足で狙ったが、大きく枠外。同13分は浅野がナバスにハイプレスをかけてロングキックをブロックし、こぼれ球を拾った堂安がドリブルで攻め上がったが、左足を切られて打ち切れなかった。

 日本は後半15分、左サイドでの丁寧なパス回しで相手の出方をうかがうと、守田のパスを遠藤がスペースで受け、積極的なドリブル突破によりゴール正面でFKを獲得。ここで日本は山根に代わってMF三笘薫を投入。相馬が右ウイングバックに移り、三笘が左ウイングバックに入った。FKはゴールから20m弱の位置。相馬がゴール左上を狙ったが、あえなく枠を外れた。

 なおも攻める日本は後半22分、堂安に変わってMF伊東純也を右シャドーに投入。すると同25分、自陣からの縦パスを浅野がそらし、抜け出した伊東が相手を振り切ってゴール前へ。だが、DFフランシスコ・カルボのイエロー覚悟のタックルで止められる。ペナルティアーク内からのFK。今度は鎌田が蹴ったが壁に当たり、ゴールには向かわなかった。

 日本は後半31分、中盤でのボール奪取から次々にカウンターを仕掛けたが、相馬や伊東のクロスが通らないなど、細かい精度を欠いて決定打に至らない。すると後半36分、日本はミスから失点。ハイボールを伊藤が競り切れず、吉田、守田のクリアが中途半端になってこぼれ球を拾われると、MFケイシェル・フラーが放ったシュートが権田の手をかすめ、ゴールマウスに吸い込まれた。

 攻勢に転じていた日本にとって痛すぎる失点。後半37分、相馬に代わってMF南野拓実を投入し、なんとか反撃を試みるが、コスタリカが割り切って守ってきたことで、焦りもあってかなかなか攻め込めない。後半43分には三笘のドリブル突破から鎌田が狙ったが、ナバスがスーパーセーブ。そのままタイムアップを迎え、ドイツ戦の大金星から一転、敗れた日本は窮地に立たされた。

(取材・文 竹内達也)

▶「FIFAワールドカップ」ABEMAで全64試合を無料生中継!ハイライト無料配信!
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送
失点場面で痛恨の判断ミスを悔やんだ吉田麻也「つなげると思った」
三笘薫が悔やんだワンシーン「あれがなければ失点もない」
W杯の舞台で精彩欠いた鎌田大地「普段だったらああいうイージーなミスは起こり得ない」
痛恨敗戦も不屈の長友佑都「下を向いたら終わってしまう」
先発抜擢もシュート0に終わった上田綺世「チグハグしてしまった」
W杯デビュー戦で痛い黒星…伊藤洋輝「結果が出なければ何も意味がない」
CKもクロスも合わず…W杯初出場の相馬勇紀、直接FKはクロスバーを越え「自分の力量不足」
5バックの前に沈黙した攻撃陣…堂安律「相手のワナにハマってしまった」
ショックな敗戦にも気丈に振る舞った板倉滉「国民のみんなは下を向いているかもしれないけど…」
「死に体のような形になった」守田英正は失点シーンを悔やむ
「チームを前向きに」狙いどおりの働きも…ドイツ戦ヒーロー浅野拓磨は連発ならず
ドイツ戦金星の意味はどこへ…伊東純也「また追い込まれた」
先発でW杯デビューの山根視来「もうひと工夫必要だった」
弾き切れなかったGK権田「緩いシュートでタイミングが合わず…」
失点の時間帯を悔いたMF遠藤航「あの時間帯に失点してしまうと相手も最後固めてくる」
コスタリカ戦、失点場面の判断ミスに森保監督「全て私の責任」
選手採点

TOP