[11.27 カタールW杯E組第2節 日本0-1コスタリカ アルラーヤン]

　持ち味である攻撃力を得点につなげられなかったことを悔やんだ。初戦のドイツ戦で負傷したDF酒井宏樹に代わって右サイドバックで先発した日本代表DF山根視来(川崎F)は、W杯デビューとなった一戦で右サイドから複数回の好機を演出したが、チームは無得点のまま勝ち点ゼロに終わった。

「今日は自分の特徴を出しやすい相手ではあったと思うので、もうちょっと自分のところから何かを見せられればよかったなと思う。点を取るためのアイデアは、もうひと工夫必要だった」と無念さをにじませた。前半13分にはMF堂安律へボールを供給し、際どいクロスをお膳立て。その6分後にもPA内に抜け出したFW上田綺世へクロスを供給した。しかし、いずれも相手ゴールを脅かすまではいかなかった。

　背水の陣を敷くコスタリカが5バックで日本に挑んできたのは想定内だった。しかし、日本に勢いがあった時間帯は長くなかった。山根のクロスに上田が合わせられなかった前半19分以降、日本はトーンダウン。前半の終盤から3バックにシステムをチェンジしたが、相手に圧力をかけきれず、ゴールをこじ開けることはできなかった。

「相手はたぶん、普段4バックでやっているチーム。試合前に3バックをやる可能性もあるという話があったので、そうなったときにどう対応するかはみんなで共有できていた」としながらも「人数が揃っているなら、もうちょっと相手に圧力かけても良かったんじゃないかなと思う」と反省の弁が口をついた。

　日本の右サイドで起点となるコスタリカFWジョエル・キャンベルへの対応にも手を焼き、前半終了間際には後ろからのチャージで警告を受けたのも痛恨だった。後半17分に交代でベンチに退いたが、イエローカードが1枚出ている状況でなければ山根が右ウイングバックとしてプレーする時間がもっと長かったかもしれない。そういう意味でももったいないカードだったが、既に先を見つめる目線は持っている。

「自分が入ったときにウイングバックの選手必ず食いついてきた。ワンタッチで斜めのコースを突けたら、もう少し得点の匂いのするところに侵入できたかもしれない。でも、口で言うのは簡単。みんなで合わせてやれたらいいと思う。まだ自分たちで突破していく可能性はあると思っている。良いリカバーをして次に備えたい」とキッパリ言った。

(取材・文　矢内由美子)

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