日本代表DF冨安健洋(アーセナル)が、決勝トーナメント進出をかけた大一番に間に合った。W杯スペイン戦を翌日に控えた11月30日の練習後、報道陣の取材に対応。「大丈夫。問題ない」と現在の状態を明かし、「トーナメント1回戦のつもりでやれれば」と意気込みを示した。

　冨安はカタールW杯メンバー発表直後の11月3日、UEFAヨーロッパリーグ(EL)チューリヒ戦で右太もも裏を痛めて戦線離脱。W杯に向けた代表活動が始まっても別メニュー調整が続き、初戦のドイツ戦(○2-1)では後半開始からピッチに立って劇的な逆転勝利に貢献したが、試合中に同じ箇所の負傷を再発し、再び全体練習から離脱していた。

　ところが第2戦コスタリカ戦の欠場を経て、前日29日のトレーニングから全体合流。決勝トーナメント進出をかけたスペイン戦になんとか間に合わせた。

　世界最高峰のプレミアリーグで着実に評価を重ねるDFの復帰は森保ジャパンにとって大きな追い風。29日の練習後には同じ年のMF堂安律(フライブルク)が「彼(冨安)には日本人離れした守備範囲があるし、まさにこういう相手には必要な選手だと思う」と信頼を示し、「休んでいたので、ちょっと仕事してもらいたい」と冗談まじりに期待を寄せていた。

　この日、堂安の話を報道陣から伝え聞いた冨安は「律がそう言ってるので働こうかなと思います」と含み笑い気味に返答。自身不在で敗れたコスタリカ戦からの沈滞ムードを打ち破るべく、「コスタリカ戦は勝ち点1なのか3なのかで中途半端になって、僕たちの力を100%出し切れなかった。スペイン戦ははっきりしている。持っている力を100%出し切りたい」と力強く語った。

(取材・文　竹内達也)

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