不完全燃焼に終わったコスタリカ戦(●0-1)を経て、日本代表MF三笘薫(ブライトン)があふれ出る闘志を表現した。「負けてしまったら終わるので1戦目、2戦目よりも思いは強い。自分ができることは他の人にできないこと」。武器のドリブル突破が世界で通用するのは明らか。決勝トーナメントをかけたスペイン戦に全てをぶつけるつもりだ。

　初戦のドイツ戦(○2-1)では圧巻の推進力で劇的な逆転勝利を導いたが、コスタリカ戦ではなかなかボールを受けられずに沈黙。ビハインドになってようやく何度も決定機を導くもゴールを導くには至らず、試合後には「もっともっと何かできたんじゃないかと思う」と悔しそうに語っていた。

　スペイン戦はその鬱憤を晴らすための舞台となる。東京五輪世代の三笘は昨年夏、東京五輪準決勝でスペイン代表に延長戦で敗戦。その試合ではベンチ外という屈辱を味わっていたが、目線はW杯にしか向いていない。

「そういうところの悔しさはもちろんあるけど、自分がこのチームで勝ちたい気持ちは、コスタリカ戦の悔しさのほうが強い。全てを出し切って大会を終えたいという気持ちが強い。リベンジだとは思っていない」。気迫が言葉に宿っていた。

　自力でのグループリーグ突破には勝利が条件。三笘は「もうそんな簡単にグループリーグ上がれるほどの大会ではない。ドイツに勝ったけど、コスタリカに負けて、自分たちの現在地がどういうところかを測る上でも絶好の相手。ここで勝てないと上に行けない」と噛み締めるように話した。

(取材・文　竹内達也)

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