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日本vsスペイン 試合前日の森保一監督、GK権田修一会見要旨

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森保一監督とGK権田修一(清水)

 日本代表は1日、カタールW杯グループリーグ第3節でスペイン代表と対戦する。森保一監督とGK権田修一(清水)が11月30日、メインメディアセンターで公式会見を行った。

 以下、試合前日の会見要旨

森保一監督
「明日のスペイン戦に向けてだが、まずはこの準備期間である3日間、今日はまだトレーニングしていないが、ミーティング等々スペイン戦に向けていい準備ができていている。選手たちにはプレッシャーがかかる試合だと思うが、自分達の力を信じて、自分の力を信じて、仲間を信じて、戦いに臨んでほしいと思う。重要な試合に変わりはないが、選手たちが普段やっている力を100%、個として、チームとして、出してくれれば結果はついてくる。自分たちの力を100%発揮できるように思い切ってプレーしてほしい。スタッフの一人として環境づくりをしていきたい。そしてサポーターの皆さん、国民の皆さんに喜んでいただける結果を出せるよう、チーム一丸となって戦い抜きたい。応援、共闘よろしくお願いしますとお伝えしたい」

●GK権田修一(清水)
「1戦、2戦が終わり、2戦目は僕らの望んだ結果ではなく、もちろん皆さんも失望された方も多いと思う。ただ、コスタリカ戦に勝っていれば予選突破が決まっていたというたらればを言ったらキリがないだが、そういうところで批判を受けているところがある。ただ僕自身、3戦目に勝てばトーナメント進出というわかりやすい状況にできたことはこれまでの結果、特に初戦のドイツ戦で勝ったことの成果だと思っている。僕ら日本代表は予選リーグ突破、ベスト8以上を目指してやっている中、今回は勝たなければいけない状況。リーグ戦なので引き分けという結果はあるが、決勝トーナメントが1試合増えたような感覚になっている。ベスト32からベスト16への戦いが明日の試合になるという感覚で臨みたい。ベスト16ではモロッコ、クロアチア、ベルギーのどこと当たるかわからないけど、そこでも当然勝たないといけないし、同じようにベスト16に行くためにスペイン戦は勝たないといけない。そう捉えたら、上に行くためにどこが相手でも勝っていかないと、新しい景色であるベスト8以上を見ることは成し遂げられない。もしここで勝っても何点以上取らないといけないという状況になっているなら、難しい感情になったかもしれないが、僕らがドイツに勝てたことで、自分たちの結果次第で上に行ける可能性を残せたのは僕らにとってはポジティブ。僕たちもご飯を食べたりする時にいろんな話をしていて、みんなポジティブで、相手がどこであろうと俺らが目指しているところに行くには勝たないといけないんだよという話をしている。スペインという難しい相手、世界的にも強い相手だが、僕らの全てをぶつけたい。日本では朝4時キックオフなので、寝てから観るか、夜中起きていて観るか難しいかもしれないが、たくさんの人がサポートしてくれることを望んでいる。サポートに応えられるように精一杯頑張ろうと思う」

―ルイス・エンリケ監督のサッカーの何が一番好きで、何が一番難しいと思うか。
森保「スペインは非常に戦術的に、そしてテクニカルに戦える素晴らしいチーム。いまのルイス・エンリケ監督のもと、ダイナミックさとテクニカルな部分、全て持ち合わせている素晴らしいチームだなと思っている」

権田「僕自身、まずはスペインのサッカーというところでは昨季スペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下でプレーしていて、すごく感じたのは整備されたサッカーをするということ。しっかりポジションを取ること、守備でも攻撃でもポジションをしっかりとること、相手の立ち位置だとか、ポジショナルプレーというう言葉を使うこともあるが、もともとスペインという国自体、そういうところの質がすごく高いと思っている。バルセロナをルイス・エンリケ監督が率いていたときからもそうだけど、ポジションを取ったところからダイナミックに攻めてくると感じていた。サイドの選手から一発の裏、動き出しに特徴がある選手を使っていて、よりポジションから相手の嫌なところをついてくるサッカーをしてくる。そういうところは注意しないといけない」

―コスタリカ戦から3日が経ち、どのような言葉をかけてきたか。
森保「まずは明日勝つ確率を高めるためにそれぞれコンディションを上げていくということ。中3日でメンタル的にも、フィジカル的にも疲れているところをしっかりと上げてもらえるようにということを話した。明日のスペイン戦が特別ということではないが、できる選手がいるからこそ、こうやってまたスペイン戦にグループリーグ突破をかけて戦うことができると思っている。自分の力、自分たちの力を100%発揮してほしい。これから選手たちにこれまでの繰り返しでかける言葉としては、大切な一戦になると思うが、目の前の一戦に最善の準備をして、全力を出して、勝利を目指して戦うことをこれまで通りやっていこうと選手に伝えると思う」

―森保監督から言われた印象深い言葉は?
権田「僕が言おうとしたことを監督が言わなくてよかった(笑)。GKというポジションもあって、常に失点に絡んでしまうポジションだが、監督からカナダ戦の後も、コスタリカ戦の後も『過去は変えられない』と。『起きてしまったこと、過ぎてしまったことは変えられないが、今からできることで、未来を変えることができる』と。結果が出なかった時に言われて、そういうポジションなので、当然悔しいところはあるし、もう少し何かできたんじゃないかと思うが、変えられるのは過去ではなく未来。それは監督の言葉で大事にしているし、それで何度も救われてきたと思っている」

―怪我人の状態は?またアジアのサッカーは欧州サッカーとどう違うか。
森保「怪我人に関しては酒井ができるかどうか。今日練習に入ってくる。昨日の練習では外れたが、全員練習はできる。明日の試合に向けては酒井はできる。世界のフットボールとの違いだが、ヨーロッパに全世界が合わせて来ていて、戦術的にもフィジカル的にも高く戦っていくところが世界全体の傾向が似ているし、差が縮まってきている。ただ戦う上ではいわゆる強豪国との差を埋めるべく、われわれが学びながらどうやって超えていけるかを見つけていけている」

―ドイツ戦、コスタリカ戦と手のひら返しのような雰囲気になっているが、どうそれを受け止めているのか。
権田「まず僕の場合はGKということもあって、点を取られたら批判されるし、取られなかったら賞賛される。僕の場合は1試合目にPKを与えたけど、マンオブザマッチに選んでもらって、2戦目はああいう形で。準備の段階でポジション修正をしっかりできていれば止められた感覚があるので、自分のミスで失点してというところで、批判を浴びるのは当然。ずっと手のひらが表なんだったらいいけど、サッカー人生で繰り返している感覚があるので、当然批判をされたり燃え上がるのは、これだけプレスカンファレンスにたくさんの人が来てくれることからも表れているように、W杯が注目される大会であって、この前の試合は日本時間19時で見やすい環境での結果だったので批判があるのはもちろんだと思う。ただ僕が自分の中で思っているのは、何が起きても結局プレーするのは自分。自分だったりチームだったりが賞賛されたから自信過剰になっても良くないし、批判されたから自信過剰になっても良くない。森保監督とずっとやってきたことを信じてやること、トーナメントに勝ち上がっても信じ続けていくことが大事。自分がやってきた練習が試合につながると思ってやってきているので、これからもそれは続くし、先輩方もいまここにいらっしゃいますが、いろんな批判を受けながら戦ってきたのを僕らが引き継いでいくだけ。日本サッカーもこれからもいい時は賞賛され、ダメな時は批判され、それは仕方ない。天気と同じでストレスに感じても仕方がない。自信を持っていきたい」

森保「選手が非常にしっかりしたことを言ってくれるので監督が喋りづらい。先に喋ればよかったなと(笑)。まずは賞賛も批判もあり、手のひら返しをされるという部分においては勝負の世界なので、勝てば賞賛、負ければ批判されるのは当たり前のことかなと思っている。できれば批判はされたくないが、賞賛も批判も含めて日本の国民の皆さんがサッカーに興味を持ってもらい、サッカーというスポーツを認識してもらい、そこで議論してもらえることを非常に嬉しく思う。それだけサッカーが、そしてサッカーは、日本国民の皆さんの日常生活に寄り添って見てもらえるスポーツなんだなと。議論は自由で、見方も自由。自由にしていただければと思う。自分の思いをぶつけてほしいなと思う。喜ぶのもいいし、ストレスをぶつけるのもいい。全てが嬉しいと思っている。私自身、選手にも伝えているが、われわれが日本の代表として世界の舞台で戦う上で、日本人の魂と誇りを持って、日本のために戦いに挑むことを共有できていると思うし、サポーターの皆さん、そして国民の皆さんに喜んでいただけるように日々努力して、戦いに挑むだけかなと思っている。また選手たちには自分たちの価値を上げる、そして日本サッカーの価値を上げる思いを持ってプレーしてもらい、国民の皆さん、サポーターの皆さんに勝利をお届けし、喜んでいただき、元気や勇気、選手たちが粘り強く戦う姿を見ていただいて、日頃の頑張りとなる活力を感じてもらえるようプレーしてもらいたいという思いでいる」

―質問の前にメモを書かれていたが、戦術的なこと以外を披露していただきたい。
森保「鈴木さん(会見場にいた鈴木唯フジテレビアナウンサー)の名前のメモをした。それと2点あって、権田が先ほど言った『過去を変えられない』ということ。まさに常に選手たちに言っていることで、自分自身にも常に心に留めていること。過ぎ去った過去は良かったことであれ、よくなかったことであれ、すべて過去のことはポジティブ変換して未来に活かすということ。スペイン戦に向けてもやっていきたいなと思い、過去を活かすと書いた。また賞賛も批判も当たり前だと。われわれがやっていることが国民の皆さんの話題になると嬉しいということを書いた」

―ガビ、ペドリをどう思っているか。またスペインのFWで一番怖いのは誰か。
権田「中盤の選手、ガビやペドリだけでなく、誰が出てくると教えてくれるならありがたいけど、誰が出てくるかわからない中なので、どの選手も本当に賢い印象。日本では技術がある選手、たとえばリフティングが上手とか、そういう選手が『技術が高い』と言われる。特に子供の頃は。ただスペインの中盤の選手を見ていると、必要な時に必要なポジションに、いるべきところにいるということで、本当に賢い選手が多いなという印象を持っている。まだ若い選手なのであまりたくさんの試合を見たことがなかったけど、今回のW杯で見ていて、国の代表としてワールドカップで戦うというプレッシャーの中で、あれだけ落ち着いてできるというのは、本当にパーソナリティの部分も素晴らしいのではないかと思った。FWの選手では、僕は五輪には出ていないけど、東京五輪の時にアセンシオ選手に終盤に点を取られて失点している。またこの前のドイツ戦ではモラタ選手がいい形でニアに入って、彼のああいうゴール『デジャブじゃないか』というくらいたくさん見ている。自分の特徴を前面に出して、しかもそれをチームの中でしっかり活かせるストライカーというのはすごく怖いなと思う。パッと思い浮かぶのは、その2人が脅威かなと思う」

―昨年の東京五輪で対戦したが、どういうところにスペインとの差を感じているか
森保「東京五輪準決勝でスペインに敗れたということ、負けてしまったということは非常に残念で悔しい思い出。選手も私もその悔しい思いから、また成長を誓って、いままたここにいる。今回の対戦ではわれわれが喜べるように結果を目指して戦いたい。スペインのサッカーをA代表から育成まで見させていただいて、国のサッカーとして一貫したサッカーをベースとしてやられているという、プレーモデルの重要性であったり大切さであったりというところは、これまで素晴らしいなと思って見させてもらっていた。東京五輪チームのスペイン代表の選手は何人もA代表に入っていて、明日の対戦でまたスペインのサッカーが育成からトップへと、どういう流れできているのかというところを試合をもって感じさせてもらいたい。1戦目のドイツ同様、スペインもワールドカップでチャンピオンになった経験国だということ。我々も2050年までにワールドカップで優勝するというところを目指している中、どのように目指していくべきかということをまた明日、教えてもらえる、学べると思う。勝利を目指すとともに、われわれがどうあるべきかというところも考えながら試合に臨みたい」

―スペインとの差をどこに感じるか。
権田「初戦ドイツと実際に対戦した後にあの試合を見た。僕らはドイツのすごさを本当に感じていて、彼らの前からのプレッシャーの圧力だったり、一人ひとりのフィジカル的な強さをすごく感じた。特に前半は何もさせてもらえなかった。そういうのを見ている中で、当然スペインに対してドイツ代表もスペイン代表の良さを消すようなチャレンジをしていた。スペインもメンバーを変えていたと思うけど、それでもあれだけ当たり前のようにボールを保持できる。それはポジショニングなのか、インテリジェンスの部分なのか、どういう部分が一番なのかわからないけど、そういうところはスペインの本当にすごいところ。さっき監督もおっしゃっていたけど、本当に小さい頃からプレーモデルとして自分たちの国のサッカーはこれだというのをずっとやり続けているんだなというのを本当に感じられた。よく言うけど、テレビゲームをしているような。ここに来たら次はここに出したらチャンスだよねというのが、テレビで見ていてその通りにボールが動く。その感覚はスペインの伝統的な4-1-2-3というか、両サイドのウィングがサイドに張ってくる形でやっている中で、インサイドハーフがもらった時にサイドで数的優位ができるとか、常にその形を作りながらやっていたので、そこの部分は僕らを相手にしても、彼らがいきなり並びを変えてサッカーをしてくることはないだろうし、ああいう形でくるんだなというのが、彼らの強みなのかなと思っている」

―ドイツやスペインに勝って自力突破になれば日本サッカー史に残る出来事になる。日本代表監督としてプレッシャーを感じているか。
森保「明日のスペイン戦に臨めること、そしてこの状況ということを本当に幸せに思うし、喜びに感じている。プレッシャーはなくて、あるとすれば自分たちの力を発揮できるかどうかというところ、出し切れるかどうかというところ。後悔することなくというプレッシャーはあるけど、常に勝利を目指して、明日のスペイン戦も勝利を目指して、そしてグループステージ突破を目指して戦えるということしか考えていない。そういった意味では、世界の強豪と、先ほども言ったけど、ワールドカップで優勝したことのある国と、この真剣勝負の場で戦えることを喜びに思って、幸せに思って戦いに臨みたい」

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