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ドーハの奇跡起こした森保J、スペインにも逆転大金星!! “死の組”首位で決勝Tへ

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MF田中碧(デュッセルドルフ)が決勝ゴール


[12.1 カタールW杯E組第3節 日本 2-1 スペイン]

 日本代表は1日、カタールW杯グループリーグ第3節でスペイン代表と対戦し、2-1で逆転勝利した。初戦のドイツ戦(○2-1)に続いて後半に逆転しての大金星で、“死の組”と称されたグループリーグを首位で突破。5日の決勝トーナメント1回戦ではF組2位のクロアチアと対戦する。

 初戦ドイツ戦(○2-1)メンバーを中心に起用したが、今大会初めて3-4-2-1の布陣を採用した日本。GKは権田修一が引き続き先発し、3バックはDF吉田麻也とDF板倉滉とともに今大会初出場のDF谷口彰悟が抜擢された。ダブルボランチはMF守田英正とMF田中碧が組み、ウイングバックは左にDF長友佑都、右にMF伊東純也。シャドーは左がMF鎌田大地、右がMF久保建英で、1トップにFW前田大然が入った。[スタメン&布陣]

 試合は一方的にスペインがボールを握る形で始まったが、日本も前半5分にさっそくチャンス。吉田のボール奪取から素早い攻撃を展開し、右を攻め上がった久保のクロスにつなげた。同7分にはFWニコラス・ウィリアムス(アスレチック・ビルバオ)に右サイドを突破され、クロスが中途半端になったところをMFセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)に拾われたが、ミドルシュートは大きく枠を外れ、命拾いした。

 日本は前半8分、ブスケツに前田が猛烈なプレッシングを仕掛けてボールを奪い、千載一遇の絶好機。久保につないでやや遅れたが、田中とともに身体を張って相手を押し込み、右サイドの伊東にボールが渡った。だが、縦突破から放ったシュートは枠を捉えることができず、ゴール右外へ。狙っていた形が表れたシーンだったが、得点につなげることはできなかった。

 すると直後、スペインが先手を取った。前半9分、FWダニ・オルモ(ライプツィヒ)のクロスに合わせたFWアルバロ・モラタ(A・マドリー)のヘッドはオフサイドに終わったが、同11分、右サイドの波状攻撃からDFセサル・アスピリクエタが深く攻め込むと、クロスボールにモラタが反応。見事に板倉のマークを外した動き出しからヘディングシュートを叩き込んだ。

 自力での決勝トーナメント進出のためには勝たなければいけない日本にとって、痛すぎる失点。その後はスペインにボールを回され続け、なかなか前に出られない時間帯が続く。前半20分過ぎからは田中が前傾姿勢を取り始めることで、陣形を上げる場面もあったが、ハイプレッシャーにはDFロドリ(マンチェスター・C)が対応。巧みなボールタッチや切り返しでいなされ、良い形で奪うことができない。

 日本は前半26分、谷口の巧みな配球を長友がワンタッチで縦に流し、鎌田が抜け出したがオフサイド。W杯デビュー戦の谷口は同31分にも果敢なボール奪取を見せるなど、堂々のパフォーマンスを発揮した。同36分、カウンターから左サイドで鎌田と久保が絡み、長友を使って久保が抜け出すと、ゴール前を横断させて伊東が流し、鎌田がシュート。だが、これは相手DFに阻まれた。

 その後は再びボールを握られる形が続き、前半39分には高い位置でMFペドリ(バルセロナ)にプレッシャーをかけた板倉がイエローカードをもらい、決勝トーナメントに勝ち上がっても1回戦は出場停止。同42分にはダニ・オルモのシュートを谷口が素晴らしいブロックで阻んだが、そこから谷口と吉田が連続でイエローカードを受け、3バック全員が退場リスクを抱える状況となり、ハーフタイムを迎えた。

 なんとか攻めに出たい日本は後半開始時、久保と長友に代わってMF堂安律(フライブルク)とMF三笘薫(ブライトン)を投入。すると同3分、すぐさま試合を動かした。左サイドで三笘がプレッシャーをかけ、GKウナイ・シモン(アスレチック・ビルバオ)に蹴らせると、伊東がハイプレスからボールを奪取。浮き球を収めた堂安が左足一閃。強烈なミドルシュートがネットに突き刺さった。堂安は歓喜を爆発。初戦ドイツ戦(○1-0)に続いてまたしてもハリファ・インターナショナル・スタジアムで同点弾を突き刺した。

 さらに勢いに乗る日本は後半8分、一気に試合を動かした。右サイドの高い位置で前を向いた田中がスルーパスを送り、堂安が縦に抜け出すと、右足でシュート性のクロスを供給。これに左サイドで三笘がなんとか残し、ゴール前に飛び込んでいた田中が右膝で押し込んだ。主審は三笘の時点でゴールラインを割っていたとしてノーゴール判定。ところがここでVARが介入。ボールが残っていたことが映像で確認され、ゴールに判定が覆り、日本が逆転に成功した。

 その後はスペインが攻撃的なカードを切ってくる中、日本は後半17分に前田を下げてFW浅野拓磨を投入すると、同24分には鎌田を下げてDF冨安健洋を起用。冨安は右ウイングバックに入り、伊東がシャドーの位置に上がった。すると同25分、三笘が果敢なボール奪取から左サイドをぶち抜き、左足でゴール前にピンポイントクロスを供給。ところが浅野のダイレクトシュートは大きく枠を外れ、ダメ押しの絶好機を逃した。

 それでも守備の局面では徹底的に身体を張り、スペインの攻撃を中盤の守備ブロックで封鎖。何度か危険なエリアに入れられはするものの、決定的なシュートまでは打たせない。同40分には右ひざ痛でトレーニングを欠席していたMF遠藤航(シュツットガルト)が田中と交代でピッチに入った。

 終盤にはFWマルコ・アセンシオ(R・マドリー)のミドルシュートがゴールを襲うも、権田が弾いたボールを吉田がすかさずクリア。ワンツーから抜け出したダニ・オルモのシュートは権田がスーパーセーブを見せ、ピンチを立て続けに阻んだ。そのままリードを守り抜き、タイムアップ。森保ジャパンドイツ・スペインの難敵をいずれも破ってグループリーグ首位通過を果たした。

(取材・文 竹内達也)

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