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スペイン戦金星につながった鎌田の助言「フランクフルトでの成功体験があった」

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MF鎌田大地(フランクフルト)

[12.1 カタールW杯E組第3節 日本 2-1 スペイン]

 日本代表は決勝トーナメント進出をかけて戦ったスペイン戦で、これまでの2試合で後半から採用していた3-4-2-1のフォーメーションを今大会初めて試合開始から採用した。その決断の裏には、かつて同じシステムでバルセロナを破った経験を持つMF鎌田大地(フランクフルト)の助言があったという。

 鎌田は試合後のミックスゾーンで、試合2日前の非公開練習の一部を明かした。「同じ(守備時)5バックをやった時はフォーメーションが少し違っていて、選手間でもあまりうまくいっている感じがなかった。僕はフランクフルトでの成功体験があったので、こうしたほうがいいんじゃないかと言わせてもらった」。さまざまなシステムを試す中で3-5-2の布陣をとっていたそうだが、そこで鎌田が提案したのが3-4-2-1の布陣だった。

 鎌田の所属するフランクフルトは今年4月、昨季のUEFAヨーロッパリーグ準々決勝でバルセロナと対戦し、2試合合計スコア4-3で勝利した。ホームでの第1戦は1-1のドローに終わったが、敵地での第2戦は前半から3-4-2-1の守備ブロックから繰り出すカウンター攻撃が次々に炸裂し、後半22分までに3ゴールを奪取。最後は退場者を出したことで2失点を喫したが、前評判を覆す金星を挙げた。

 鎌田はその試合にシャドーの位置で出場。この戦術がバルセロナと同じく4-3-3のシステムを採用し、アンカーのMFセルヒオ・ブスケツやインサイドハーフのMFペドリら中心選手も同じスペイン代表にも通用すると考えていたようだ。

 とはいえ鎌田にとっては運動量が求められる一方、守備に追われる時間も短くない役割。それでも割り切りながらプレーする覚悟はできていた。

「今日は僕に関してもタケに関しても守備に追われて犠牲になるシーンが多かったけど、やり方としてはハマっていた。僕たちがたくさん走って守備に追われることになるけど、フランクフルトでもあれがハマっていた。フランクフルトは推進力のある選手が多いのでもう少しプレッシャーも前目で、少し違ったけど、彼らからするとあれだけ引かれるとやりづらかったと思う。いい守備ができたんじゃないかと思っている」

 そのぶん鎌田が良い形でボールを持てるシーンは限られていた。それでも冷静に語った。「チームの結果的には勝っているし、難しい試合をモノにしているし、決勝トーナメントに上がっている」。まずは勝利が最優先。「いまは自分のためというよりも日本のために、日本代表の戦い方をしないとダメ。それは最低限できているので続けていけたらいい」と先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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