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日本のサッカー指導者へ。森保監督がW杯で伝えたいこと「自信と向上心を」

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森保一監督

 史上初となる2大会連続の決勝トーナメント進出を決めたスペイン戦(○2-1)から一夜明けた2日、日本代表は終日オフを取った。そうした中、森保一監督がドーハの練習拠点で報道陣の取材に対応。世界の強豪国と渡り合った選手たちに称賛を送りつつ、未来の代表選手を育てる育成年代の指導者への思いを熱弁した。

 2014年大会王者のドイツ、10年大会王者のスペインを相手に劇的な逆転勝利を収め、2勝1敗でグループリーグ首位突破を果たした森保ジャパン。いずれの試合も後半に3-4-2-1の布陣で前線からマンツーマン気味にプレスをかけ、アグレッシブな姿勢で前に出たことで逆転の2ゴールを奪っていたが、その采配は守備陣への信頼あってこその決断だったという。

「後ろに一人余っていないと守れないとか、そういう弱気な守備ではなく、たとえ守備的になっていたとしても、1対1で勝っていけるんだというのを選手たちが持って戦ってくれるということで、監督としての采配を勇気を持ってできる」

 そう振り返った指揮官は、今大会で選手たちが見せる対人能力への信頼を語った。「選手たちの個々の戦いを見ても、チームとしての組織的な戦いではあるけど、個々はマッチアップして上回っていくところ、そこから数的優位を作って組織的に連係連動していくということで、選手たちが素晴らしい個の能力を上げているところを見せてくれている」。

 そうした選手たちが育ってきたのも、全国各地で選手の育成に尽力してきたサッカー関係者の成果。森保監督の思いは未来の育成年代の指導者にも向いていた。

「日本の良さは組織力で戦えるところではあるが、さらに個の局面で1対1で勝っていけるように。強い個があってプラス数的優位を作れて、連係連動して、さらに組織力があるということで強くなれる。日本の育成の指導者の皆さんには選手に個で勝っていけるところをもっともっと上げていってもらえるようにしてもらいたい。グループリーグ3試合でドイツ、コスタリカ、スペインと世界の強豪国と個々でマッチアップして、1対1でも勝っていける、世界で個の力で勝っていける、かつ組織力を活かしていくんだということを選手たちが表現してくれている。そこを目指してほしいなと思う」

「いまいる選手たちも普及・育成から、日本の指導者が育てて、プロとしての国内外での厳しい環境でさらに力をつけてきている。日本の指導者の皆さんには、自分たちが育てたことでこんなに大きくなってくれたんだという自信を持って、そこからさらに上を目指すんだという向上心を持って指導してほしい」

 昨年10月、1勝2敗という崖っぷちの状態で臨んだアジア最終予選オーストラリア戦の前にも「いろんなサッカーの指導者や、関係者の皆さんが普及、育成、そしてトップにつなげてくれている中で、われわれ日本代表の戦いを通してどういうアプローチをしたらいいのか、どう選手を育てていけばいいのか、日本サッカーが文化として根付いていくためにどういうことをしていけばいいのかを一緒に考えていけるようにしたい」と決意を語っていた森保監督。そうした思いはこのW杯でも変わらない。

「この2試合勝利したことで、サポーター、国民の皆さんに喜んでいただきたいというのはもちろんあるが、日本の指導者に『自分たちが指導した選手が世界の舞台で勝っていけるんだ』ということを自信として持ってもらいたい。そして育成の指導現場に活かしていただけると本当にうれしい」。森保ジャパンは日本サッカーの未来も背負い、まだ見ぬベスト8への扉を開くつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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