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歴史を変える8強へ。ロシア組の思いも背負ったGK権田修一「2人の悔し涙を見て…」

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日本代表GK権田修一(清水)

 日本代表GK権田修一(清水)がカタールW杯決勝トーナメント1回戦クロアチア戦を翌日に控えた4日朝(日本時間同日夕)、報道陣のオンライン取材に応じた。ここからは“負ければ終わり”の一発勝負。それでも権田は「負けて終わりということより歴史を変えるんだという気持ちを大事にしている」と力強く意気込んだ。

 1998年にW杯初出場を果たした日本代表にとって、今回は史上4回目のベスト16。2002年の日韓大会、10年の南アフリカ大会、18年のロシア大会ではいずれも決勝トーナメント1回戦で敗れており、歴史を変えるための一戦となる。

 権田は「歴史を変えるというのは普通に生きていてできることじゃない。たくさんのOBの方、現役の選手がメディア関係者としてカタールに来ているけど、僕がすごいなと思っているそうした方々、テレビで画面で見ていたスーパースターの方々がなしえなかったことを、なしえる可能性があるという場に立てたことへの喜びが大きい」と喜びを語った。

 権田は2014年のブラジルW杯でもメンバー入りし、GK川島永嗣の控えとしてベンチ入りしていたが、グループリーグ敗退。自身にとっては初めての決戦に臨むにあたり、「歴史を変えるためには歴史を知らないといけないと思った」と過去の決勝トーナメント1回戦のハイライト映像を見たという。

 そこで特に印象に残ったのが前回ロシア大会、のちに“ロストフの悲劇”と称されたベルギー戦。ゴールを決めたMF乾貴士、MF原口元気の試合後フラッシュインタビューを見て、モチベーションをもらったようだ。

「ロシアの負けは僕が実際にその場にはいなかったけど、その場にいなきゃいけなかったと思いながら見ていた中で、悔しさとモチベーションをもらった試合だった。4年後にこの場にいられて、歴史を超えられるというところに携われている。その試合が終わった後に乾選手、原口選手がインタビューを受けていて、乾選手は今年エスパルスで一緒にプレーしたし、原口選手は予選で日本代表にとんでもないくらい貢献してくれた。その2人のインタビューでの悔し涙を見た時、『この大会があったから僕らはベスト8に行けたんだ』と試合が終わった後に言いたいなと思った」

 歴史を変える一戦の相手はクロアチア。中盤にはMFルカ・モドリッチ(R・マドリー)、MFマテオ・コバチッチ(チェルシー)、MFマルセロ・ブロゾビッチ(インテル)の世界的3ボランチを揃え、最終ラインと前線にも経験とスキルを兼ね備えた選手が並ぶ前回大会の準優勝チームだ。

 普段から欧州サッカーを熱心にチェックしている権田は「犠牲心が高い選手が多い」と分析する。

「モドリッチはレアル・マドリーで得点王になるような選手ではないけど、それでも名前を聞いて知っている人が多い。チームにいてもらわないと困るという選手。中盤の3人は全員がそういう選手でブロゾビッチもそう。特に日本ではルカク(ベルギー代表)、ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表)が取り上げられるけど、サッカーで一番大事なのは汗をかける選手。チームのために身を粉にして働ける選手が多い」

「(CBの)ロブレン選手もそう。リバプールではファン・ダイク選手の影に隠れていたかもしれないけど、あれだけチームのプラスになれる。スター選手ではないかもしれないけど、スター選手を脇で固めて、この選手がいないと困るという選手が多いのがクロアチア」

 そうした選手個々のパーソナリティはチームの戦い方にも出ていると警戒する。「前にプレッシャーが来るわけではないけど、守備に戻る、攻守を切り替える、身体を張るというところでドイツ、スペインと違う強さがある。僕らも学ばなきゃいけない部分であり、絶対に負けちゃいけない部分」。気持ちの面でも負けられない一戦へ。守護神は「歴史を変える可能性があるのは楽しみでしかない」と言い切った。

(取材・文 竹内達也)

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