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世代交代叫ばれながらも全4試合先発…36歳長友佑都「こんなに下手なおじさんを活かしてくれた」

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DF長友佑都(FC東京)

[12.5 W杯決勝T1回戦 日本 1-1(PK1-3) クロアチア アルワクラ]

 日本代表史上初のベスト8をかけて挑んだPK戦は、12年前の南アフリカ大会と同じ敗北に終わった。それでも当時を知るDF長友佑都(FC東京)は「僕は4大会を経験していて、同じベスト16で3回敗れているけど、日本サッカーは確実に成長してきたと思う」と力を込めた。

 日本サッカー史上初めて4大会のピッチに立ち、グループリーグ第1戦ドイツ戦で樹立したW杯歴代最多出場記録は15試合に伸ばした。「この15年の代表人生、全てをかける集大成だと思って戦った。自分のやってきたことに全く悔いはない。胸を張って、顔を上げて帰りたい」。今後の進退については「このW杯だけを考えてやってきたので、この先のことは全く考えていない。ちょっと考えたい」と述べるにとどめたが、やり切った表情が印象的だった。

 金髪からの赤髪という奇抜なヘアスタイル、「ブラボー」「コラッジョ」の大声で世間の注目を集めつつ、後輩に批判が向けられた際には自ら矢面に立った。それでも自身の貢献には「感謝しかない。こんな下手なおじさんを活かしてくれたのは後輩たちだし、最高の監督の森保さん」と謙遜した。

「僕は歴代最強のチームだったと確信を持って言っていた。そのチームがここで敗退してしまったのは無念でならない。でもこれがサッカーで、これが結果。この悔しさを後輩たちがしっかりと未来につなげてくれると思うし、日本サッカーは確実に成長していると思う」。そう述べた36歳は未来への期待を力説した。

「後輩たちが新しい景色、新しい未来を見せてくれた。日本サッカー、確実に世界で戦えると自信を持って言える。ドイツ、スペインを破って1位突破してきたけど、クロアチアにも引けを取らずにサッカーをしてきた。そんな後輩たちを称えてほしいし、PKを蹴った彼らの勇気を称えてほしい」

 また日本サッカーがさらに強くなっていくため、自国リーグの盛り上がりも願った。

「より一層成長するためにはJリーグを発展させないといけない。僕もいまJリーグでプレーしているけど、ここにいる選手のほとんどがJリーグで育って、いま海外でプレーしている。皆さんのお住まいの地域には必ずJリーグのチームがある。とにかく応援してほしい。そのことをすごく伝えたい。Jリーグが盛り上がれば選手が成長してモチベーションも上がるし、そこからまた育って海外に行ったり、日本代表に還元できる選手が一人でも多く出てくる。それを願っている」

 常に世代交代の必要性が叫ばれながらも、終わってみればW杯全4試合に先発出場。2010年の南アフリカ大会以降、全ての試合でピッチに立ってきた日本サッカー界のレジェンドは、日本サッカー界への希望と期待を抱きながら、誇り高くカタールの地を去る。

(取材・文 竹内達也)
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