beacon

工藤壮人さんのユニフォームをドーハに持参していた酒井宏樹「一緒にベスト8に行きたかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表DF酒井宏樹

[12.5 W杯決勝T1回戦 日本 1-1(PK1-3)クロアチア アルワクラ]

 1-1だった後半30分、MF鎌田大地と交代で途中出場した日本代表DF酒井宏樹(浦和)はグループリーグ初戦のドイツ戦で左太もも裏を痛めてから3試合ぶりの復帰を果たした。右ウイングバックでGK権田修一からのロングキックのターゲットとなるなど、空中戦で威力を発揮。屈強なクロアチア選手と激しくやり合い、疲労の見える日本チームに活力をもたらした。

 しかし、1点が遠かった。1-1のまま延長戦でも決着がつかず、最後はPK戦の末に敗退。「結果は結果なので受け止めなきゃいけないと思いますし、負けたという事実は変わらない。足りなかった、というのが正直な感想かなと思います」と悔しさをにじませた。

 3大会連続のW杯メンバー選出で、18年ロシアW杯の決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦も先発フル出場したが、2-0から逆転負け。結果は前回大会と同じベスト16だったが、内容では前進していた。

「2-0からの逆転でもないし、内容も全然違った。あのときはポカンと、ただ強いチームに逆転されるのを見ていただけだった。それとは明らかに違う。でも、だからこそ悔しい思いが強い」

 一方で、「やれているという感覚は持たないといけないけど、やられたという感覚も大事にしないといけない。クロアチアには試合を決める選手がいて、劣勢の中でも振り出しに戻すような選手がいた。逆に、僕らは1-0を守れなかったし、1-1になってから2-1にできなかった。それは課題だと思う」と現実を見つめる。

 それでも、PK戦でキッカーに名乗り出た5人については「僕ら26人が託した5人だった。勇気を称えたいし、外したからダメということは本人たちは考えないでほしい」と思いやった。

 10月、柏レイソルの下部組織時代からの盟友で、アルベルト・ザッケローニ元監督が率いた日本代表でもともに闘った工藤壮人さんが急逝した。酒井はドーハに工藤さんのユニフォームを持って来ていたことを明かし、「彼と一緒にベスト8に行きたかったという気持ちももちろんあります」としみじみと言った。

「彼の奥さんからもメッセージをいただいてましたから、僕らの活躍が少しでも勇気になれば、僕らの活躍で少しでも元気にさせられればと思っていました。僕にそんな力はないけど、この26人にはすごい力があった。日本代表チームとして最低限のことはできたと思う」と言うと、「一緒に代表のユニフォームも着たし、一緒に試合できた。いろんなユニフォームを一緒に着ましたけど、いい選手で、いい奴であるのは変わらない。これからも彼の功績は残っていきますし、人柄も残っていく。仲間と一緒に大事にしていきたいなと思っています」と思いを馳せていた。

(取材・文 矢内由美子)

▶「FIFA ワールドカップ」決勝トーナメントもABEMAで無料生中継!ハイライト無料配信!
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP