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前夜は選手と語り明かした吉田麻也、監督とは話せず「森保さんとしゃべったら崩壊しちゃう」

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目に涙を浮かべるDF吉田麻也

 キャプテンとしてチームを引っ張り続けた4年間だった。日本代表DF吉田麻也(シャルケ)は、ベスト16敗退に終わったカタールW杯を振り返り、「悔しさと寂しさしかない。いいチームだったし、勝たせてもう一つ上に押し上げたかった」と無念さをにじませた。

 クロアチア戦直後のミックスゾーンと同じように、一夜明けての取材対応でも目には涙が浮かび、真っ赤に腫れていた。試合後は「家族と会って、そのあとも選手としゃべり明かして、4時ぐらいに部屋に戻って、ちょっと寝たら今です」と、ほとんど眠れないまま一夜を過ごした。

 前夜は選手とどんな話をしたのかと聞かれると、「雑談ですよ。(長友)佑都が交代したあと、ベンチで前に出すぎて何度も怒られていたとか、(川島)永嗣さんが試合後、サポーターの方と抱き合って泣きじゃくっていたとか」と笑った。

 選手たちとは夜通し語り合ったが、森保一監督とは試合後、まだ話をしていないという。「森保さんとしゃべったらダメ。(感情が)崩壊しちゃう」。そう言って報道陣を笑わせると、「森保さんがここまで信用してくれて、僕にいろんな役割を与えてくれなければ、ここまで僕は成長できなかった。ものすごく感謝しているし、僕だけでなく、みんなが感謝している。監督をもう一個上に連れて行ってあげたかった」と悔しそうに言った。

 カタールは吉田が日本代表に定着して間もない11年1月のアジア杯が開催された場所であり、FW李忠成の劇的ボレーで優勝を飾ったハリファ国際スタジアムは今大会のドイツ戦、スペイン戦の会場でもあった。「(長友)佑都ともその話はしていて、スタッフとも『行ける気がする』という話は出ていた」。日本代表にとって、海外でこれ以上、縁起のいいスタジアムはないだろう。

「次のアジア杯もカタールで開催されるし、またあのスタジアムも使われると思う」。次回のアジア杯は当初、23年夏に中国で開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中国が開催を断念し、カタールでの代替開催が決まった。開催時期も24年1月~2月に変更となる見通しで、カタールW杯後の日本代表がまずは目指すべき大会となる。

「日本サッカーが発展していくには次のアジア杯を取らないといけない。この歩みを止めてはいけない。次はアジア杯だというモチベーションを持って、いい準備をして、アジア杯をもう一回取り返さないといけない」

 クロアチア戦後には代表からの引退も示唆した吉田。3大会ぶりとなるアジア王者奪還、そして4年後の北中米W杯で悲願のベスト8を目指すチームに自分がいなかったとしても、その夢は後輩たちへと託されていく。

(取材・文 西山紘平)

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