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森保監督、名波コーチ抜擢は「断られると可能性が高いと考えていた」オファーの理由は…

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日本代表森保一監督

 欧州視察中の日本代表森保一監督が8日、オンラインで報道陣の取材に応じ、カタールW杯後のコーチングスタッフ選考の経緯を語った。日本サッカー協会(JFA)は1月17日、名波浩コーチと前田遼一コーチとの契約が合意に達したと発表。その後、反町康治技術委員長は「森保監督の意向を最優先した形」と説明していた。

 森保監督は名波、前田両コーチについて「一緒に所属したことのなく、二人のコーチとはそんなに接点があるわけではない」としながらも、「選手時代に彼らがやってきたこと、監督・コーチとしてやってきたことを第三者として客観的に見ている中で、これまでの積み上げを活かしながら、これからさらにレベルアップしていくために必要な指導者だと思って招集させてもらい、一緒に仕事をさせてもらおうと決めた」とオファーの背景を語った。

 名波コーチについては「監督をずっとやってきた人なので、コーチの打診をした時、断られる可能性が高いと考えていた」というが、「なぜ一緒に仕事をしたいというお願いをしたかというと、これから代表チームをさらに強くしていくため、守から攻に切り替わった時に相手のプレッシャーを外すためのカウンター、ボールを握りながらコントロールするところ、そこから攻撃のチャンスを作り出していくところで、(名波コーチが)選手としてやってきたこと、そして指導者として監督としてやろうとしてきたことを見て、これからの日本代表のレベルアップに必要な資質を持っていると思って話をさせてもらった」と説明した。

 名波コーチは2014年9月から19年6月に磐田の監督、21年6月から昨年11月にかけて松本の監督を務めたが、コーチとしてチームを指導した経験はない。それでも森保監督は「ジュビロ時代から見ているが、経験の浅い選手も含めて信頼してあげて、経験を積ませることで選手の成長につなげているという部分、選手の成長につなげられる指導者かなと思っている」と育成面での高評価を語った。

 また名波コーチとは日本代表で共にプレーした経験がある森保監督だが、前田コーチとは同じチームで共にしたこともない。だが、日本代表のストライカーとして活躍した現役時代のプレーや、21年から磐田U-18で監督・コーチを務めていた姿から抜擢を決断したようだ。

 森保監督は「彼はJリーグで2度、得点王を取っていると思うが、前線でハードワークしながら得点を奪う、前線で起点になる、守備でも広範囲に貢献しながら中盤からディフェンスにかけての守備の貢献をしていくという現代型のストライカーで、日本がW杯で勝っていくために必要なFW像、前線の選手としての資質を見せてくれていた。指導者としては経験はそこまで多くはないと思うが、選手を辞めて指導者一筋でやっていくというところと、育成から指導だけではないいろんな工夫をしながら指導者の難しさ、大変さを経験しながらやってきているコーチだと思う。そういう経験が活きると思った」と太鼓判を押した。

(取材・文 竹内達也)

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