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U-20日本代表がきょうW杯出場を懸けた“決戦”へ! 勝てば世界、負ければ予選敗退の準々決勝ヨルダン戦のポイントは

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U-20日本代表がW杯に向けた決戦へ

 1日に開幕したAFC U20アジアカップは、11日から8強によるノックアウトステージの戦いがスタート。アジアの列強によるタフな戦いが続いている。

 8強の激突が大会で最も熱く激しいゲームになるのは、この大会の4強進出チームに世界大会出場資格が与えられるからに他ならない。今年5月にインドネシアで開催されるU-20W杯の出場は、U-20日本代表にとって最も大きな目標でもある。12日に行われるU-20ヨルダン代表との試合は、まさに決戦となる。

 グループステージを3連勝で通過したチームの状態自体は良好だ。「起用できないという状態の選手はいない。監督としては非常にありがたい」と冨樫剛一監督が語るように、アウェイの環境下で深刻な負傷者や病人が出ることなくここまで来られたのは最大の好材料だろう。中2日の連戦が続く中で疲労がないとは言えないものの、チーム内の雰囲気も悪くない。

 準々決勝で当たるヨルダンは、FW熊田直紀(FC東京)が「今までの相手よりしっかり繋いでくるし、基礎的なことがちゃんとしているチーム」と語るように、攻守に組織化された好チーム。「中盤に上手い選手が多い」(冨樫監督)上に、日本戦からはレッドカードで出場停止だったエース格のFWカルブーナも復帰してくる。闘争心あふれる屈強な選手も多く、油断できる相手ではない。

 ただ、「かえってやりやすい部分もあるかもしれない」と熊田が漏らしたように、後方を固めてラフに蹴り込んでくるタイプのチームよりも攻撃面で日本の良さを出しやすい相手という一面もある。ヨルダンはサイドバックの攻撃参加を積極的に使ってくるチームだけに、両サイドの駆け引きでまず優位に立ちたいところだ。

 その上でやはり大きなポイントなるのはメンタル面。「ものすごく、そこ(が大事)です」と冨樫監督が強調したように、勝てば世界大会、負ければ予選敗退という「自分のサッカー人生を変えられる大会」(MF佐野航大)に行けるかどうかというシチュエーションの試合に対し、いかに平常心に近く臨めるか。緊張感はお互い様でもあり、特に試合の立ち上がりは焦点になりそうだ。

 そして均衡した試合展開になったときにモノを言うのはベンチメンバーの力量差。「交代すればするほど弱くなるようなチームにはしたくない」と以前から語ってきた指揮官は、「交代していく選手がプラスを与えていくチームでありたいし、そこは表現できていると思っている」と自信を見せる。

 またノックアウトステージからもう一つのポイントになるのはPK戦である。カタールW杯の反省も踏まえて昨冬のU-18日本代表の活動からPK戦には注力してきており、現地入り後も練習を重ねてきた。FW北野颯太も「蹴り込んでいる中で自分の中で『これだ』というものが掴めてきた」と自信を見せる。もちろん、PK戦までいかずに勝ち切るのが理想形だが、たとえそうなったとしても、「3人のGKを含めて準備はできている」(冨樫監督)。

 勝てば世界大会、負ければ予選敗退。チームとして積み上げてきたものの成果が問われるシンプルな決戦は、日本時間12日23時から、ウズベキスタンのロコモティフスタジアムにて幕を開けることになる。

(取材・文 川端暁彦)
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