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本格化するU-22日本代表の“A代表経由パリ五輪行き”、山本理仁は決意新たにG大阪での活躍誓う

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MF山本理仁(最右)

 パリ五輪世代のU-22日本代表は19日から合宿をスタートさせた。同日夜にはヨーロッパに発ち、24日にU-22ドイツ代表と、27日にはU-22ベルギー代表と対戦する。一方、U-22代表と同タイミングで、A代表がキリンチャレンジカップに臨む。MF山本理仁ガンバ大阪のチームメイトであるDF半田陸がA代表に選出されたことに「ガンバにいる理由はそこにある」と心境を語った。

 2024年パリ五輪を目指すU-22日本代表は、昨年3月に大岩剛監督体制がスタートした。発足時から名を連ねた山本と半田は、当時はJ2で研鑽。山本は東京ヴェルディで、半田はモンテディオ山形でプレーしていた。さらなるレベルアップを狙うべく、2人は育成組織から所属していたそれぞれのクラブを旅立つ。山本は昨夏に、半田は今冬に、G大阪に加入した。

 大岩監督は五輪チーム発足時から“A代表経由パリ五輪行き”を標榜。昨夏のEAFF E-1サッカー選手権ではGK鈴木彩艶(浦和)、FW細谷真大(柏)、MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)がパリ五輪世代からA代表デビューを果たした。そして、今回のキリンチャレンジカップでは半田とDFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)がメンバー入り。すでに主力の久保建英を始め、着実に“A代表経由”は進んでいる。

 半田はG大阪加入から今季の開幕節フル出場でJ1デビュー。開幕5試合で4度の先発メンバー入りを飾り、J1での存在感を示してA代表メンバーに選出された。一方、昨夏加入から怪我の治療に励み、その後は途中出場が続いた山本は、18日の第5節・北海道コンサドーレ札幌戦でJ1初先発を果たした。「今回、陸が呼ばれた。J1のキャップ数は5試合と少ないですけど、ただ、ガンバにいることで呼ばれるし、ガンバにいる理由はそこにある」(山本)。半田のA代表入りが意味すること。山本はJ屈指のビッグクラブに所属し、そして活躍する意味を説く。

「あのクラブでスタメンが取れれば、すぐにでもA代表に呼ばれる。それくらいビッグクラブだと思っている。僕もより刺激を受けました。呼ばれなかったからどう、ということではなく、やってやるぞという気持ちが強いです」

 山本がJ1初先発を飾った試合には、対戦相手の札幌に東京V時代のチームメイト、DF馬場晴也がいた。馬場は前半43分に途中出場。その数分後、最初に激しいプレスを仕掛けた相手は山本だ。「痛ってーな!って言ってやりましたね。ふがふがしすぎだよって(笑)」(山本)。“同期では一番、譲瑠より仲が良い(笑)”親友とのJ1での再会に喜びをのぞかせた。

 ただ、半田がA代表入りを果たした一方、おなじく大岩監督体制の発足メンバーだった馬場は今回の遠征から外れた。山本は馬場を慮りつつ、自身も含めたそれぞれの成長への決意を語る。

「あいつも悔しいと思います。ただ、あいつと長くやっていて、あいつの力も自分が一番よく知っている。あいつならこの集団に絶対に戻ってこれると思うので、僕は僕でしっかりここで結果を残して、サバイバルに勝っていくだけ。お互いが上を目指してやっていれば、あいつの能力的にも自分の能力的にも、最終的にはパリでやれると思っている。僕は自分自身の成長にフォーカスして今後もやっていきたいです」。

 パリ五輪世代の選手たちは、それぞれの“経由地”へ。そこから“パリ五輪行き”を目指していくつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

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