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A代表初日から積極交流…初招集DFバングーナガンデ佳史扶「どんどんコミュニケーションを取らないと」

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初招集のDFバングーナガンデ佳史扶

 パリ五輪世代が誇る攻撃的サイドバックが、同年代よりも一足早くA代表のステージにたどり着いた。FC東京のDFバングーナガンデ佳史扶は今回が日本代表初招集。合宿初日の練習を終えて取材に応じた21歳は「入りは緊張した」と初々しさをのぞかせつつも、「ポジションを奪うつもりでしっかりやっていきたい」と決意を示した。

 第2次森保ジャパンが発足した今回の活動では、Jリーグから3選手が初招集。そのうちバングーナガンデとDF半田陸はパリ五輪世代からの抜擢となった。初日のトレーニングではDF板倉滉、MF守田英正らカタールW杯メンバーとも同じメニューを実施。バングーナガンデは「今回初めて顔を合わせてみて、本当にW杯で見ていた選手たちだなと、あらためてすごいところに来たなと実感した」と嬉しそうに話した。

 それでも“お客さん”のまま終わるつもりはない。同じトレーニングメニューだった選手たちとは「全員と1対1で話せた」と積極的に交流。人見知りする素振りは見せず、「どんどんコミュニケーションを取らないと、自分がこういうプレーをしたいとか、相手がどういうプレーをしたいかがわからないので、そういうところは積極的に自分から伝えていきたい」と決意を語った。

 短い期間でトレーニングを行う代表チームにおいて、そうした積極性は不可欠な姿勢だ。今後はMF三笘薫、FW中村敬斗ら欧州組の合流も控えている中、「誰と組んでもコミュニケーションが一番大事だと思っているので、しっかりコミュニケーションを取っていって、いい連係で自分の良さも組む相手の良さも出せるプレーをしたい」と意気込んでいる。

 またカタールW杯メンバーのMF久保建英とはFC東京U-18時代の同級生で、FC東京U-23の一員として共にJ3リーグに出場した経験も持つ。「建英はずっとユースの時からトップのカテゴリでやっていて、J3でちょっと一緒にやったくらいしかやってないけど、あらためて一緒にできるのは嬉しいし、楽しみ」。再会に喜びを感じつつも「同じレベルになったとは思っていないので、ガツガツ食らいついていきたい」と旧友の存在も糧にしていく構えだ。

 パリ五輪からの抜擢とあって若さに注目が集まるものの、21歳での初招集は世界的に早いほうではない。何よりバングーナガンデは一昨季、右膝外側半月板損傷の大怪我を経験し、“遠回り”を経てきた自覚もある。「順調にはいっていない。大怪我をしてそこからここまでいろんな苦労があった中で、やっと掴んだチャンス。しっかりとこのチャンスを活かしたい」。一つ一つの活動を無駄にせず、ステップを駆け上がっていく覚悟を見せた。

 だからこそ、A代表での出番争いでも「負けるつもりはないし、呼ばれたからには積極的にガツガツやっていきたい」とバングーナガンデ。パリ世代のU-22日本代表・大岩剛監督が唱えてきた“A代表経由パリ行き”のミッションに一歩近づいたいま、さらに高いハードルを自らに設けようとしている。

「大岩さんから日頃ずっとA代表経由のパリ行きと言われていたので、それができて僕自身も嬉しいけど、前回の東京五輪のメンバーを見ていると、出て活躍している選手はみんなA代表で活躍している。選ばれただけじゃなく、この場で活躍できる選手がパリ五輪に行ける選手だと思っている。僕自身も選ばれるだけじゃなくて活躍したい」。パリで飛躍を遂げるためにも、このA代表の地で結果でもってアピールしていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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