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ベテラン不在でDF陣最年長に…新世代のリーダー候補・板倉滉「そのスタートとしてやっていけたら」

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日本代表DF板倉滉(ボルシアMG)

 カタールW杯で日本代表の最終ラインを支えたDF板倉滉(ボルシアMG)は今回、26歳にしてDF陣最年長で代表メンバー入りした。前主将の吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹が招集を見送られる中、世代交代を意図した方針は明白。2026年の北中米W杯に向け、ディフェンスリーダーとしての働きが期待されている。

 第2次森保ジャパン最初の活動という位置づけで迎えた今回の合宿。DF陣は冨安健洋の負傷辞退に伴い、カタールW杯メンバーは板倉と伊藤洋輝のみとなった。町田浩樹、橋岡大樹、瀬古歩夢、菅原由勢といった東京五輪世代、藤井陽也、バングーナガンデ佳史扶、半田陸の国内組が抜擢され、フレッシュなメンバー編成となり、26歳の板倉はDF陣最年長という立場になった。

「まずは26で最年長かって思ったのが正直な気持ちですけど……(笑)」。初めはそう冗談めかした板倉だったが、すでに覚悟はできている様子だった。「年齢は関係ないし、僕としてはW杯を経験して、そういったメンバーが中心となってやっていかないといけない気持ちがすごく強いので、今回はそのスタートとしてやっていけたらと思う」。どのような立場であっても再びW杯の舞台に立ち、そこで結果を残すという目標は変わらないからだろう。

「上の選手たちが抜けて自分も若くないし、W杯が終わってから日本代表に対する気持ちもより一層強くなっている。またあの舞台に立ちたい、あの舞台でさらにいい結果を残したい気持ちが強い。その始まりが今回の代表活動だと思うし、フレッシュなメンバーがこうやって来ている中で、短い期間だけどコミュニケーションを取りながらいい試合をしたい」

 初日練習のランニングでは「そんなに意識していない」と謙遜しながらも、これまでベテラン勢が固めていた先頭をMF遠藤航とともに走っていた。カタールW杯でのパフォーマンスや振る舞いを見る限り、リーダーとしての素質は明らか。またドイツではこれまでキャプテンとしてチームを率いてきた吉田からの薫陶も受けているようだ。

「麻也くんはしょっちゅうドイツで会っているので。自分が練習を終わって家に帰ったら麻也くんがいることもある(笑)。代表の話もするし、サッカーの話もするし、いろんなアドバイスを受けながら普段からできている。家が10分くらいの距離だけど、その距離に麻也くんがいるのは僕にとってすごく大きなこと」。

 代表チームと向き合う姿勢も吉田の姿と重なるものがある。まず大事にするのはピッチ上でのパフォーマンスだ。板倉は「上の選手がいた時にも常にスタメンを奪っていきたい気持ちでやってきたし、今回来ている若い選手たちも間違いなくそういう気持ちで来ると思う。何を言わずともすごくいい雰囲気で練習に取り組める。チームだけどチーム内競争もしながらみんなで高め合えれば」とチーム内競争を前向きに歓迎しつつ、「日本代表はそういう場所だと思うし、そういう場所であってほしいと思う。チームとしていいコミュニケーションを取りつつ、僕自身もいろいろと吸収していきたい」と力強く語った。

(取材・文 竹内達也)

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