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伊藤洋輝、失意のカタールW杯から再出発へ「悔しさを持ったまま…」

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日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト)

 ブンデスリーガで着実に出場機会を重ねる23歳が、2度目のW杯に向けて再スタートを切った。21日の練習後、報道陣の取材に応じた日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト)は「W杯ベスト16で悔しい思いをしたので、これまでいた選手がそうだったように次の大会に向けてのスタートになる。良いスタートが切れれば」と闘志を燃やした。

 昨年6月にA代表初招集を果たし、わずか半年間足らずでカタールW杯のメンバー入り。最後の追い上げで選考レースを勝ち抜いた伊藤だったが、W杯本大会ではグループリーグ第2節コスタリカ戦(●0-1)での後半45分間のみの出場にとどまり、悔しさを抱えながら大会を終えた。

 それ以降、所属クラブの活動で「W杯で悔しい思いをしたというのが一番大きい」と失意をバネに成長を追求してきたという伊藤。W杯前は3バックのCBを務めていたが、W杯後はブルーノ・ラッバディア監督の就任により4バックのシステムが主体となっている中、4バックの左CBという新たなポジションで出場機会を重ねている。

 もっとも日本代表でも4バックの左SB、左CB起用は経験しており、「ポジション変更によってそこまで違和感はない」と伊藤。第23節バイエルン戦(●1-2)ではボルナ・ソサの出場停止を受けて左SBでのプレーも見せるなど「どこで出ても高いクオリティーを発揮できる選手になりたい」と自身の幅を広げようとしている。

 かつてはボランチを主戦場にしてきた選手だが、いまでは“守れる選手”に変貌している。「最終的に個でどれだけ守れるかになってくる。バイエルンのCBを見ていてもそうだし、ああやって押し込んだ状況でもマンツーマンでボールを奪い切るところが自分がトップオブトップになるために必要になる部分だと思う」。ブンデスリーガでの出場機会を重ねつつ、さらにレベルアップを遂げていく構えだ。

 そうした中で迎える2023年初の代表活動。DF陣は長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹が招集を見送られ、伊藤が3番目の年長選手となった。「W杯で悔しい思いをした選手が悔しさを持ったまま次の大会をどれだけ意識できるかが大事。代表で集まれる機会は年に数回しかないけど、個々のレベルアップがやっぱり大事になってくる。次の大会に向けてそれぞれ意識してやっていければ」。失意に終わったカタールW杯を経て、3年後へのリベンジを誓った。

(取材・文 竹内達也)

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