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同期・菅原由勢と“再会” 追加招集でA代表初選出のDF藤井陽也「選ばれたからには爪痕を」

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追加招集で日本代表に初選出されたDF藤井陽也

 吉報は突然だった。ケガのため不参加となったDF角田涼太朗(横浜FM)に代わって追加招集され、日本代表初選出となったDF藤井陽也(名古屋)は「追加招集を聞いたときは驚いたけど、選ばれたからには爪痕を残さないといけない。一つひとつの練習から100%で取り組んでいきたい」と意気込んだ。

 名古屋の下部組織出身で19年からトップチームに昇格した5年目の22歳。21年までの3年間はJ1で合計10試合の出場にとどまったが、長谷川健太監督が就任した昨季は31試合に出場し、今季も開幕から5試合連続先発中とDFラインの主力に成長した。

 右利きながら左右両足を遜色なく蹴ることができ、3バックの左右真ん中どこでもプレー可能。「対人の守備が自分の強みだし、そこはしっかり出したい。ビルドアップや攻撃の部分も見てほしいし、練習から出していければ」。毎試合、J1の強力なアタッカー陣と対峙することで「試合に出ないと得られない感覚がある。ヘディングの駆け引きだったり、いろんなFWと対戦することで引き出しも増える」と成長を実感できている。

 DF菅原由勢(AZ)は名古屋U-15から一緒にプレーしてきた同期。「昔から2人で代表を目指そうと話していた。それが実現できたのはうれしい」と、2人そろっての代表選出を喜ぶが、「さらに高みを目指してお互い刺激し合っていければ」と満足はしていない。

「(菅原)由勢は高校のときに(J1で)デビューして、当時は単純にすごいなという思いが強かった。20歳で(A代表)デビューして、海外に行って、常に先頭を走っていた。それに負けないようにという思いはあったし、お互い高め合っていければ」

 2000年12月26日生まれの藤井は、2001年1月1日以降生まれの選手で構成されるパリ五輪世代にギリギリ含まれない。4年に一度の五輪世代としては“谷間”の年代にあたる。

「(誕生日が)あと1週間遅ければパリ五輪を目指せたのになという思いはあるけど、仕方ないこと」。そうした話を母親としたことはあるのかと聞かれると、「もともとは1月の予定だったらしいですけど、僕が自分で早く出てきたので。自業自得です」と言って報道陣を笑わせたニューフェイスは、「常にA代表を目指す気持ちでやってきたし、まだまだスタートライン。しっかり定着していけるようにしたい」と力強く誓った。

(取材・文 西山紘平)

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