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GKが脚光浴びたカタールW杯…“唯一の経験者”シュミット「勝負を分けるのはGKの差」

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GKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)

 カタールW杯を経験したGKからは唯一、シュミット・ダニエル(シントトロイデン)だけが新体制の招集リストに名を連ねた。主力組が出場するであろうキリンチャレンジカップ・ウルグアイ戦(24日・国立)での起用も濃厚。「無失点で終わりたい。W杯を踏まえて期待感を持ってたくさんの人たちが来てくれると思うので、その人たちに魅力的な試合が見せられるように、チームとしていい試合をしたい」と意気込みを述べた。

 カタールW杯ではGK権田修一(清水)が4試合ともゴールを守り、大きくメンバーを入れ替えたグループリーグ第2節コスタリカ戦でも出番のなかったシュミット。直前の昨年9月に行われたドイツ遠征のエクアドル戦で好パフォーマンスを発揮するなど、最後の最後までレギュラー争いを繰り広げたが、正GK定着へのチャレンジは次の3年半へと引き継がれることになった。

 カタールW杯では列強の守護神たちから刺激を受けた。「キーパーが目立った大会だった。拮抗した試合が多い中で、勝負を分けるのはGKの差だなということはW杯で感じた。勝利に貢献できるキーパーがいる国が強いので、そうなりたいと思った」。目指すGK像は「シンプルだけど、できるだけ多くのシュートを止めること。これに尽きる」と断言。ピンチを阻む活躍を続けていくつもりだ。

 もっとも、日本代表チームはカタールW杯からの反省を活かし、カウンター主体の戦い方だけでなく、ボール保持へのトライを進めようとしている。カタールW杯メンバーのGK川島永嗣、権田との比較ではビルドアップに高い評価が下されていたシュミットにとって、攻撃面での貢献も期待できるところだ。

 これまでの4年間に比べて「ボールに関わる意識はより多く出ている」というシュミットは「自分たちのビルドアップの形があるのでそこをまずよく理解すること、その上で味方の立ち位置を把握してボールをもらった時にちゃんと視野を確保してボールを配球することは、前からも意識していたけど、今後やっていく上でもすごく大事。ボール保持する時間を長くするためにはGKの関わりも必要だと思うので意識したい」と力を込める。

 ビルドアップの詳しい取り組みについては「ノーコメントで」と煙に巻いたが、下田崇GKコーチからも「ボールに関わった後にちゃんとゴールを守るためのポジションを取ることはよく言われている」と要求されているといい、新たなトライが行われている兆し。南米の列強国との2連戦に向けて「(ビルドアップは)得意だけどリスクでもある。代表チームはリスクとのバランスが難しいので、いいバランスを強豪との親善試合を通して学んでいきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)

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