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日本vsウルグアイ 試合前日の森保一監督会見要旨

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森保一監督

 日本代表は24日、国立競技場で行われるキリンチャレンジカップでウルグアイ代表と対戦する。カタールW杯を経て発足した第2次森保ジャパンの初陣。森保一監督が23日、国立競技場で前日会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
―W杯後初の試合が迫っているが、新しい出発としてどのような試合を見せたいか
「まずはホームということで勝利を目指して戦い、選手たちには今自分達が持っている個の力、チームとしての戦いの中でベストを尽くして戦ってもらいながら、今の最高のこのパフォーマンス、チームのパフォーマンスができるよう思い切ってプレーしてほしい。これまでのカタールW杯までのチームの積み上げ、そして日本のサッカーが積み上げてきたことを活かしながらも、これから2026年に向けて我々が何を作っていけるかということ、新しい目標に向かって、新しい大会に向かって、我々がチャレンジをしていくことを選手たちには思い切って表現してほしいと思っている。また違うお話をさせていただきますが、改めてWBC侍ジャパンの監督、選手の皆さん、関係者の皆さんに優勝おめでとうございます。日本中に感動をありがとうございますとお伝えしたい」

―カタールW杯までさまざまなシステムを試してきたが、新たなフォーメーションや選手起用は。
「昨日も戦術的な練習をしたし、現時点の構想はあるが、最終的には今日の練習を見て決めたい。ただ、形としては4-2-3-1からスタートして行ければと思っている。これまで我々がやってきた戦術的なオプションであったり、試合中の状況によってどう戦うかというオプションの積み上げはしっかり持ちながらも、これからのことを作っていけるようにしたいと思っている。明日の形については4-2-3-1がこれからのベースになっていくかどうかの判断をまずチャレンジしてみて、そこから決めていきたい。ただこれまでどおりと言っても、多くの選手は初招集で、W杯後に選手それぞれ所属チームに帰って、所属チームでの戦術や役割の中で活動している中、これまでどおりという言葉でなんとなく戦うことをしてしまうと、我々にとってこの試合、これからのチームづくりで新しいものを作っていくにあたって難しくなる。オプションとしての戦いは持っておかなければならないが、同じことをやるにしても新しいものを作るという気持ちを忘れず、確認作業をしながら、選手と我々スタッフが作り上げる共有という部分、選手間でもなんとなくこれまで通りではなく、いいコミュニケーションをとってもらい、絵を合わせていくというのをチーム全員で新たなものを作るということを忘れてはならない戦いになる」

―ゲームキャプテンは。
「遠藤航でいきたいと思っている」

―W杯に招集したメンバーを呼んでいるが、W杯後に成長したメンバーもいる。三笘薫はスーパーサブとして使っていたが、先発で行けるのではないかと思うが、起用はどう考えているか。
「最終的には今日の練習で決めるが、三笘は明日先発で想定している。W杯で力がないからサブであったわけではなく、W杯でも先発でできるだけの力があったと思う。ただ大会に入ってくる時の状態を知っておられる方もいると思うが、コンディションが100%だったかというとアクシデントもあって100%じゃなかった。また今後どうしていくかはわからないが、チームとして勝っていくことが非常に大切。本人の力は認めながらも、どうチームで勝っていくかをやって行ければ。選手たちにも話したが、WBCの侍ジャパンが戦い方では素晴らしいものを見せてくれた。何かというと、まずは世界トップ基準のスーパーな個の力を持っている選手が揃っていること、かつその選手たちがチームのために犠牲心を払って、献身的にチーム一丸となって戦う姿勢をみんなが持っているということ。個の力、チームでの戦いという大切さを教えていただけたし、野球とサッカーは違うが、世界のトップトップの個の力を持った選手がチームのために、仲間のために、日本のために戦う犠牲心、献身的な姿勢を持って戦うことを教えてもらった。我々のチームづくりにも同じような考えを持っていたが、改めて学ばせていただいた。チームづくりにも反映させていきたい」

―記者会見でもW杯を受けての反省、悔しさが盛り込まれた話だと感じているが、それは選手たちの思いを感じて、それをまとめているのか。監督が意識的に発信しようとしているのか。
「選手も私もW杯の経験を踏まえて、悔しさであったり、また新たな自分たちの夢や目標を持つことを経験できたのは私だけでもないし、選手だけでもなく、全て同じかは分からないが、両方が同じ気持ちでいる。悔しさとW杯基準、世界トップ基準を持って成長しなければならない。夢を持って、目標を持ってやっていくべきだということ、そして日本は必ずできるというところをW杯でクロアチア戦が終わった時であったり、W杯を経験した選手が国内でも海外でも所属チームで非常に存在感を上げて戦ってくれている。より高い基準、より高い目標を持ってみんなで戦っていけると思う。なので選手もスタッフも同じ思い、2026年に向けてさらなる成長とさらなる結果をというのは同じような気持ちだと思う。」

―新しいコーチングスタッフを迎えて新しいチームを作っているが、トレーニングをやってみての手応えは。
「2026年に向かってスタッフも新たに加わってくれたことで、新しい血が入って、また新鮮な気持ちでいる。そしてもちろんスタッフが変わっていなくてもW杯での経験で新たにブラッシュアップすることをトライしていたと思うが、名波(浩)コーチ、前田(遼一)コーチが入ってくれて、指導もトレーニングで担当してもらって、すごくフレッシュにトレーニングを積めている。ウルグアイ戦、コロンビア戦に向けてという意味でも選手・スタッフも気持ち新たにトレーニングに迎えているいい雰囲気だと思います」

―名波コーチがミーティングをしたそうだが、新たに発信していることはあるか。
「われわれスタッフ間でこれまでやってきたこと、これから何をしなければいけないかという点は共有はもちろんしてきたが、大切にしたいところは新たにスタッフが加わってくれることで、これまでの内側で見たことより、客観的に代表の活動を見てくれた名波コーチ、前田コーチの外から見た成果と課題という点でわれわれスタッフにも選手にも伝えてもらった。大きく違ったところは実はあまりなくて、我々がやってきたことを外から見ていろんなことを感じてくださって、W杯を見て何を次にレベルアップ、ブラッシュアップしなければならないかという点もあまりズレはなかった。カタールW杯での粘り強い戦いという守備の部分では大切にしなければならないが、さらにボールを奪いに行くところを上げていかないといけないということ、スペイン戦やドイツ戦では攻撃のところで守から攻のところ、カウンターでは相手の嫌がるいい攻撃ができたが、ボールを握りながら試合を進めるという部分ではボールを奪って、プレス回避をして攻撃につなげるということ、速攻ができなかった時のボールの動かし方は上げていかないといけないところで、名波コーチが昨日のミーティングで選手たちに伝えてくれた。ただいきなりドイツ、スペインと我々の力関係であったり、やれることが簡単に逆転できるということはないということ、少しずつチャレンジしながら、われわれの力をつけていくということをやっていかなければいけない。地に足をつけてやっていくことを選手たちに伝えてくれた。大きく変わったところはあったかもしれないが、私の感覚的にはあまりインパクトとして残っていることはない」

―さきほどゲームキャプテンに遠藤航を指名するという話があったが、どのような理由か。またチームキャプテンは指名しないのか。
「先ほどはゲームキャプテンが誰ですかと聞かれたので(笑)。航はチームキャプテンになるだけの経験があるし、キャラクター的にもできると思うし、実際にプレーも背中で見せられる素晴らしいプレーをしているので、キャプテンにふさわしい選手だと思っている。ただチームづくりの中でいろんな選手を見ながら決めていくことと、今回の招集もこれからこの選手たちの招集が完全にベースだということではないと思うし、まだまだ力のある選手はいる。今回の活動を踏まえながらまた次につなげていく、また将来的には選手層の幅を広げながら、戦術の幅を広げながら最強、最高のチームを作っていくということでいま活動している中で、キャプテンという決め方をもちろんしてもいいが、それぞれがこの競争の中で、自分がオンザピッチ、オフザピッチでチームのために責任を持って言動するところを各選手に持ってもらいながら決めていくということでもいいのかなと思い、現在は決めていない。そのタイミングが次の活動になるか、(28日の)コロンビア戦になるか、その次の活動になるかは決めていないが、航についていうと、キャプテンの資質と任せられるものがある。その中でも全体を見て決めていきたいというところ」

―ボールを握りながら攻撃を進めていくという部分で強豪相手にその力関係を逆転できるものではないという話があったが、ウルグアイはW杯基準でやれる相手になる。どんなプレーを期待したいか
「試合の入り方、我々がチャレンジする部分というところでは攻撃の部分は奪って素早く攻めるというところ、ゴールに向かっていくというところ、これはサッカーのセオリー、優先順位の中でまず持っておかないといけない部分だと思う。忘れずに、常に相手のゴールに向かっていくことを優先順位の一番に持ちながら、W杯での課題となったボールを握っていくという攻撃を仕掛けられるように選手たちにはトライしてほしい、チャレンジしてほしいと思っている。守備の部分においてはW杯でたとえばドイツ戦、スペイン戦であるなら、最初から受けるつもりはなかったが、実際の試合の流れでは始まってすぐ受けるような展開になった。粘り強く戦って、後半に自分たちのペースに持っていって、より積極的に守備も展開するということでW杯は戦ったが、まずは相手にプレッシャーをかけられる守備をしながら、試合の中で受けられるところは受けていくというのをやっていければ。攻撃でも守備でも選手たちがいま持っている力をスタートからアグレッシブにぶつけていけるように戦えればと思う。余談になるが、ボールを握るというところが先行しすぎて、まずは素早く攻めるということを絶対に忘れてはいけないと思う。理想の部分では我々が試合をコントロールするためにボールを握ることは理想として、レベルアップできるようにしていかなければいけないが、速攻を仕掛けるところ、相手が何が一番嫌なのかを常に考えながらボールを有効に握っていければと思う。これはロシアW杯からの反省でもあり、我々が何を上げていかないといけないかという部分で、同じポイントでこれまでもやってきた。ただレベルアップはできたと思うが、W杯のトップ基準ではまだ発揮するという部分では力をつけないといけないところが出た。継続してやっていくことを次のW杯に向けてもしっかり積み上げていけるようにしたい」

―背番号10を決めずに空き番になっているが、監督の込めたメッセージは。
「実は背番号に関しては、私は報告を聞いているだけで協会の担当に全て任せている。担当者と選手がコミュニケーションを取った上で決まっている。私自身はいつもそれを確認して承認しているだけ。ただ今回の10番という部分では、チームの立ち上げの中でいろんな選手を見ながら決めていくということ。メディアの皆さんにとって10番やキャプテンを、一つのポイントとして伝えてもらうためには何か決まったことをお伝えできればいいが、チームづくりの中でいまいろんな選択肢を持って決めているということで理解していただければと思う」

(取材・文 竹内達也)

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