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第2次森保J初陣はウルグアイとドロー! 西村拓真が同点ゴール、瀬古・中村がA代表デビュー

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FW西村拓真が同点ゴール


[3.24 キリンチャレンジ杯 日本 1-1 ウルグアイ 国立]

 日本代表は24日、キリンチャレンジカップでウルグアイと対戦し、1-1で引き分けた。前半にレアル・マドリー所属のMFフェデリコ・バルベルデのゴールで先行されたが、後半にカタールW杯落選組のFW西村拓真(横浜FM)が同点ゴール。DF瀬古歩夢(グラスホッパー)とFW中村敬斗(LASKリンツ)がA代表デビューを果たすなど、顔ぶれも新たな第2次森保ジャパン初陣となった。

 カタールW杯を経て初めての国際Aマッチ。国内での試合では約3年半ぶりに声出し応援が解禁され、国立競技場には大雨にもかかわらず61855人の大観衆が集まった。

 日本は4-2-3-1のシステムを採用。GKはシュミット・ダニエルが入り、最終ラインは左からDF伊藤洋輝、瀬古、DF板倉滉、DF菅原由勢。ダブルボランチはMF遠藤航とMF守田英正が組み、2列目は左からMF三笘薫、MF鎌田大地、MF堂安律。1トップはFW浅野拓磨が務めた。瀬古はこれがA代表デビューとなった。[スタメン&布陣]

 試合は序盤から日本が積極的にプレッシングを仕掛け、優位に試合を展開。前半3分、瀬古の懸命なボール奪取から鎌田が前を向き、カウンターをスタートさせると、三笘が左サイドをドリブルで駆け上がる。プレミアリーグで存在感を放つ背番号9の見せ場にスタンドからは大歓声が沸いたが、シュートには至らなかった。

 その後は次第にウルグアイの守備ブロックが機能。前半9分には日本のパスミスから菅原が裏を突かれ、ヒヤリとする場面もあった。それでも日本はボールを保持を続け、遠藤が最終ラインに落ちて舵取りを行い、三笘を囮に伊藤が左サイドの裏を突いたり、菅原がインサイドに立って大外の堂安を使ったりと、SBの関わり方からは新生森保ジャパンの新たな狙いも感じられた。

 前半22分には日本に最初のビッグチャンスが生まれた。堂安の献身的なプレスバックでボールを奪い、板倉の縦パスを鎌田が受けると、ダイレクトで右サイドに展開。高い位置を取っていた菅原もワンタッチでスルーパスを送り込み、これに浅野が自慢のスピードを活かして抜け出した。だが、右に持ち出して放ったシュートはわずかに枠外。ゴールを奪うことはできなかった。

 対するウルグアイも前半26分、足元でもたついた守田からボールを奪ったMFファクンド・ペリストリ(マンチェスター・U)がドリブルで抜け出し、瀬古のスライディングを受けて転倒。決定機につながりかねない場面でのファウルかと思われたが、主審のホイッスルは鳴らされず、日本にとっては命拾いとなった。

 すると前半34分、日本が素晴らしい崩しを見せた。伊藤が空中戦を競り勝ち、守田が三笘につないで前進に成功すると、三笘の折り返しのパスを守田がスルーし、遠藤の縦パスを鎌田がダイレクトで右に展開。これを受けた菅原はいったん後ろに戻したが、遠藤のクサビのパスから鎌田と堂安が息の合った連係を見せ、菅原がクロスを送った。だが、これが相手にクリアされると、二次攻撃から遠藤の浮き球パスが堂安に通るも、折り返しのヘディングも相手にカットされた。

 そうして迎えた前半37分、ウルグアイが先制に成功した。浅野のポストプレーが失敗に終わり、カウンター気味の対応を迫られると、右に開いていたFWマキシ・ゴメス(トラブゾンスポル)に三笘と遠藤が寄せきれず、深い位置への侵入を許してしまう。ゴメスのクロスには伊藤が反応したが、こぼれ球がバルベルデのもとへ。ダイレクトで放ったスーパーミドルは右ポストに救われるも、日本守備陣がボールウォッチャーとなった間にバルベルデに頭で押し込まれた。

 そのまま0-1で前半は終了。ハーフタイムの交代はなし。後半はウルグアイが一方的にボールを握り、日本は押し込まれる時間が続いた。それでも後半9分、日本はゴール前のピンチを板倉のカバーリングで打開すると、クリア気味のパスを受けた三笘が相手をかわして長いドリブルをスタート。敵陣までえぐってスルーパスを送り込んだが、浅野が左に持ち出したボールはDFサンティアゴ・ブエノがブロック。日本はまたも決定機を活かせなかった。

 すると後半16分、森保一監督がようやく動き、堂安と浅野に代わってMF伊東純也とFW上田綺世を投入。同18分にはさっそく伊東が右サイドを切り裂き、クロスからチャンスを作った。

 そして後半20分、この交代策からビッグチャンスを作った。相手のパスをカットした板倉がそのまま持ち運び、右サイドの高い位置で待っていた伊東につなぐと、うまく身体を入れた上田とのワンツーからペナルティエリア内に切れ込み、MFマヌエル・ウガルテ(スポルティング)のタックルで転倒。主審はPKを宣告した。しかし、ここでVARが介入。ウガルテのタックルは見事にボールに触れており、ピッチ脇モニターでのオンフィールドレビューの結果、ノーファウル判定とされた。

 なかなかゴールを奪えない日本は後半30分、守田と鎌田に代わってMF田中碧と西村を投入。すると同31分、この起用が的中した。右サイドを持ち上がった菅原のスルーパスが伊東に通ると、スピードを活かした突破からグラウンダークロスを配球。これに反応したのが西村。ファーストタッチとなるシュートでゴール左隅を撃ち抜いた。

 昨年7月のEAFF E-1選手権でA代表デビューを果たした西村は代表4試合目で3ゴール目。昨季のJリーグ王者である横浜F・マリノスの代表として日の丸を背負う26歳が見事に結果を出した。

 その後はテンポを上げてきたウルグアイに対し、再び劣勢に転じた日本だったが、右に流れるM・ゴメスの精度の低さにも助けられ、なんとかゴールを破られない。後半40分にはゴール前を崩され、MFファクンド・トーレスに決定的なシュートを放たれたが、これが左ポストに直撃。なんとか命拾いした。

 日本は後半44分、菅原と三笘に代わってDF橋岡大樹と中村を投入。初招集の中村もこれがA代表デビューとなった。その後はなんとか盛り返そうと試みたが、試合はそのままタイムアップ。第2次森保ジャパンの初陣は引き分けに終わった。

(取材・文 竹内達也)

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