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日本vsウルグアイ 試合後の森保一監督会見要旨

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[3.24 キリンチャレンジ杯 日本 1-1 ウルグアイ 国立]

 日本代表は24日、キリンチャレンジカップでウルグアイと対戦し、1-1で引き分けた。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

森保一監督
「先制される難しい展開でも選手が粘り強く戦ってくれた。応援してくださったみなさんの声援が勇気づけてくれたと思うし、選手たちもW杯が終わっていろんな方が応援してくれていることを感じたうえで、同点に追いつこう、もう一回戦っていこうという気持ちにつながったと思う」

―ゲームキャプテンを任せた遠藤の評価は。
「彼の経験値、彼のキャプテンシーというのを期待してゲームキャプテンを託した。プレーでも試合を読む力だったり、球際のデュエルで戦う部分、予測を持って相手を上回る部分で、チームがなかなか安定して戦えない中でもまずは自分のプレーを安定させ、先頭でチームを引っ張り、素晴らしいパフォーマンスをしてくれた」

―WBCでは栗山監督の選手を信じる力というのも話題になったが、栗山監督の采配をどう見ていたか。
「栗山監督の選手を信頼するという姿勢はすごく伝わってくるし、別競技だが、監督として私自身、選手を信頼する、リスペクトする、選手の前に一人の人として尊重する気持ちは栗山監督の姿勢を見て改めて学ばせてもらっているところもある」

―初出場や代表歴の浅い選手も多かったが、W杯出場組との連係はどう感じたか。
「カタールW杯までのチーム編成からすると、経験値で差がある選手もいたが、2026年W杯に向けて、そして今日のこの1試合に勝つために自分の良さを発揮し、自分がこれから戦力になっていくんだという思いを込めたプレーを見せてくれた。チームのために、仲間のために、日本のために戦っていこうと一丸となって粘り強く戦うという部分では、経験の差を感じないぐらいみんなが一つになってくれたと思う。偉大な先輩たちがチームにいろんなことを継承してくれた。その先輩たちともこの代表の座を争いながら、経験の浅い選手はよりギラギラ感を持って成長して戦力になってもらいたいし、世界で戦っていくうえでより選手層を厚くし、最強のチームを作っていければと思っている。今日、経験の浅い選手が楽しみな未来を見せてくれて、いいトライをしてくれたと思う」

―ウルグアイは前線からプレッシャーに来ていたが、最後までビルドアップでしっかりつなごうとしていたのは監督の指示か。
「今回の攻撃の形、サイドバックがどう攻撃に関わるか、前線のウイングの幅をどう生かすか。サイドに強みになる選手がいるので、そこをトライしていこうと、名波コーチが中心になってこの活動期間でトライしてきてくれた。ウルグアイは我々よりFIFAランキングで上位。世界的にも強豪と言えるチームに、うまくいかないまでも、よくチャレンジしてくれたし、試合中に少しずつ工夫を加えながら自分たちでテンポを上げていく、少しでもいい流れに持っていくことを、追う展開の中でも粘り強くやってくれた。チャレンジすることは、2026年に向けても、この試合の勝利を目指すうえでも、大きなキーワードとなる。追う展開でも集中を切らさず、バタバタせず、いいチャレンジをしてくれた。クオリティーは上げないといけない部分が多々あるが、スタートとしてはいいチャレンジをしてくれたと思っている」

―西村への指示は。
「タイミングとして両サイドからボールが供給できるかなと思った。特に右サイドは(堂安)律から(伊東)純也に代わって相手の対応が難しくなる中、純也の最後の突破の良さを生かして、おそらくクロスは上がってくるだろうということで西村を投入した。本人にも『サイドからボールは入ってくると思うからゴール前で狙いを持ってほしい』ということは伝えた。選手が試合の流れを読んで、サイドからの突破が増えたということでここがチャンスだと状況を見極めて、狙いを持って入ってくれた。ファーストプレーだったと思うが、合わせるのは簡単ではないスリッピーな中でも落ち着いて決めてくれた」

―久々の采配となったが。
「今日の試合に向かうにあたって、この活動期間、選手たちは新たな目標に向かって一生懸命準備してくれていたし、新たなスタッフが加わった中、みんながいい準備をしてくれていた。強い対戦相手に楽しみな気持ちで臨めた。カタールW杯から実戦はかなり遠ざかっていたのですごく緊張した。WBCで胃がキリキリする戦いをずっと見てきて、国際試合で覚悟を持って戦わないといけないという緊張感はWBCから今日まで続いてきていた」

―想定外の発見はあったか。
「想定外ではないが、今日のDFラインを考えたときに先制されるとかなりバタつくだろうなと想像していた。選手が思っていたよりも冷静に戦ってくれたのが、想定外ではないが、素晴らしいなと思って見ていた。相手も強い中、チームとしてはスタートしたばかりで、選手同士のつながりも戦術も試行錯誤しながらという難しい展開の中、選手が落ち着いてくれていたのは非常に良かったと思う」

―攻守で課題は。
「ボールを奪ったあとの攻撃の展開がうまくいったときはチャンスになるが、ファーストチョイスが前線に動かせなかったり、うまくつなげなかったりすると、攻撃の形をうまくつくれず、カウンターを受けた部分もあった。奪ったあとにどう展開するか、相手の嫌がるプレー、試合を決める動きをしないといけない。ビルドアップもまだまだ相手を揺さぶるところまでうまく動かせる回数も少なかった。自分たちがどうやって相手を崩していくか、コントロールする動かし方をやっていかないといけない。守備も個々の局面は粘り強く相手に負けていなかったが、セカンドボールの回収率を上げて、自分たちがよりコントロールして試合を進められるようにしないといけない」

―サイドバックへの指示は。
「サイドバックの選手には攻撃のところでよりボランチのポジションの高さだったり、内側のポジションを取ってビルドアップに関わるということをトレーニングでもやってきたので、この試合でも攻撃の関わりの部分でチャレンジしてほしいと伝えた。守備に関しては、前線の選手と連係連動しながら個の局面では自分がマッチアップする選手に勝っていくことをやってほしいと伝えた。ハーフタイムの指示としては、前半上手くいかない部分もあったが、自分がどこで受けられるかという部分でポジショニングやタイミングを探す部分、ボールを受けれなくても、サイドにボールが入ったときに相手を引き付けるポジショニングを使い分けてほしいということを伝えた」

(取材・文 西山紘平)

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