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左SB起用の可能性も浮上…町田浩樹、鹿島での経験も胸にA代表デビューへ「自信を持ってやりたい」

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DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)

 サッカー人生で培ってきたさまざまな経験を胸に日本代表のピッチに向かうつもりだ。DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)は本職のセンターバックに加えて、左サイドバック起用の可能性も浮上。「出たポジションで自分の役割を全うできれば」と決意を示した。

 町田は26日に行われた攻撃トレーニングにおいて、センターバックが務める起点の配給役だけでなく、左サイドバックと左ウイングが務める左からのクロッサー役にも就いた。24日のウルグアイ戦(△1-1)で先発したDF伊藤洋輝(シュツットガルト)が次はセンターバックで起用される可能性が高い中、A代表デビューのポジションが左サイドバックになる選択肢が出てきている。

 左利きの町田は鹿島アントラーズ所属時の2019年、強度が試されるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)などで左SBを経験。また現在のサンジロワーズでは3バックの左を務めており、「基本的にいろんなポジションをできるに越したことはないし、チームでも3バックをしたり、鹿島時代も左サイドバックをやっていたのでそこまで抵抗はない」と前向きに取り組もうとしている

 日本代表のサイドバックは現在、中央寄りに絞ってビルドアップに関わる“偽SB”と称される仕組みにトライ中。反対サイドにボールがある時は3バックの左と似たようなポジション取りをすることもあり、「似ている。4バックでも流れでスリー(3バック)っぽくなることもあるので、ユニオンでやっているメリットもある」と自身の経験をフル活用していく構えだ。

 またウルグアイ戦では左サイドを崩されて失点しており、町田の長所である守備面でも新たなものをもたらすことが求められる。

「ACLもベルギーリーグも1対1の場面がすごく多かったし、代表の練習の中でも自分の強度が通用しているなという部分は結構多かったので、そこは自信を持ってやりたい」。そうプライドを示した町田は偽SB特有の守備についても「内に絞ることでボールを失った時の中での密集度が高いので、すぐに奪い返せるのはメリット。そこで強度を出して、五分五分のボールをマイボールにすることは重要になってくると思う」と前向きな展望を語った。

 5人交代制の導入で交代起用のチャンスが増えたアタッカー陣に比べ、選手交代の行われにくい守備陣にとって、出場機会が与えられた1試合の価値はより大きい。カタールW杯ではそうした勝負どころをことごとくモノにしたDF谷口彰悟が大抜擢され、本大会でも鬼気迫るパフォーマンスを見せていたが、町田がここから序列を覆すためには同じような活躍が求められるだろう。

「個人的にDFというのは信頼だと思っている」。そう力を込めた町田は「一つの試合で良かったからポンと代えられるポジションじゃないし、継続して安定したパフォーマンスを出し続けないといけない。そういうものがあって谷口選手がW杯で出たり、信頼の積み重ねが最終的に大きい舞台で監督が使ってくれたりということにつながる。積み重ねていくだけ」と決意を語った。

 ウルグアイ戦をベンチから見つめたことで、ピッチに立つことへの思いはいっそう強まった。「今まではテレビで見ていた舞台だけど、この前のW杯では今までずっと年代別や五輪で一緒にやっていた選手が活躍しているのを見て、そこに自分も立ちたいという気持ちが強くなった。ただ立つことがゴールじゃない。立ってそこから継続して、コンスタントに代表に呼ばれることが大事。一喜一憂せずにやっていきたい」。気持ちの面でも準備万端。あとはこれまで積み重ねてきたものをぶつけるだけだ。

(取材・文 竹内達也)

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