[3.28 キリンチャレンジ杯 日本 1-2 コロンビア ヨドコウ]

　日本代表は28日、ヨドコウ桜スタジアム(大阪市)でのキリンチャレンジカップでコロンビアと対戦し、1-2で逆転負けした。開始早々にMF三笘薫(ブライトン)が豪快なヘディングで先制ゴールを決めたが、前後半にそれぞれ1点ずつを奪われ、新体制初黒星。初陣シリーズを1分1敗で終えた。

　システムは引き続き4-2-3-1で、新体制初陣のウルグアイ戦(△1-1)から先発4人を変更。DF瀬古歩夢、MF遠藤航、MF堂安律、FW浅野拓磨に代わってDFバングーナガンデ佳史扶、MF伊東純也、MF西村拓真、FW町野修斗が起用され、21歳のバングーナガンデはこれがA代表デビューとなった。

　GKはシュミット・ダニエルが務め、最終ラインは左からバングーナガンデ、DF伊藤洋輝、DF板倉滉、DF菅原由勢。ダブルボランチは鎌田とMF守田英正が並び、2列目は左から三笘、MF西村拓真、MF伊東純也が入った。1トップは町野。ウルグアイ戦から連続先発した中では、伊藤が左SBから左CB、鎌田がトップ下からボランチに配置が変わった。[スタメン&布陣]

　試合は前半3分にさっそく動いた。日本は菅原のロングキックを前線の町野が収め、西村との連係で右サイドを打開すると、戻したボールを受けた守田がファーサイドに豪快なダイレクトクロスを配球。するとこれに合わせたのが三笘。圧巻のハイジャンプからヘディングで叩きつけ、ニアポスト脇を見事に射抜いた。三笘はこれで国際Aマッチ15試合目で早くも6ゴール目となった。

　その後は日本がボールを握りながら試合を進めようと試みるが、前半6分には大ピンチ。ハイプレスを食らった伊藤がペナルティエリア左でボールロストすると、MFホルヘ・カラスカル、FWラファエル・サントス・ボレに立て続けにシュートを狙われる。これらはシュミットがなんとか防ぎ、難を逃れたものの、ビルドアップに課題が露呈した場面だった。

　日本のボール保持はウルグアイ戦とは異なり、両サイドバックが内側の高い位置にとどまるような場面は減少。SBがニアサイドを駆け上がるアンダーラップで相手マーカーを引きつける形が多くなった。ところがこれも徐々に対策され、拮抗した展開に。前半20分ごろからはサイドの配置によるものではなく、鎌田、守田のダブルボランチでうまくボールを動かそうと試みる場面が続いた。

　前半26分にはまたしても日本にピンチ。右サイドでプレッシャーを受けた状態でシュミットにボールを戻したが、ここも相手に捕まり、伊藤がギリギリで触って局面を脱する。同29分には三笘が中央に絞ってビルドアップを助け、西村とのワンツーで中央を打開。鎌田を経由して左に渡ったが、バングーナガンデのクロスは相手に当たった。

　そうして迎えた前半33分、コロンビアに同点に追いつかれた。相手のロングキックに反応した板倉のヘッドが相手に当たって跳ね返されると、そのままDFデイベル・マチャドの突破を許す形となり、板倉は追いつくことができず。最後はマイナスのクロスを送り込まれ、右から飛び込んだ19歳のFWジョン・ハデル・ドゥラン(アストン・ビラ)に左足ダイレクトで蹴り込まれた。

　その後は再び日本が勢いを持って攻め込み、前半38分にはバングーナガンデのアンダーラップから三笘に渡り、ファーサイドへのクロスに伊東が合わせるもボレーシュートは空振り。同40分、板倉、菅原とつないだボールを伊東が受けて深くえぐり、マイナスのクロスを受けた西村がボレーで狙ったが、これは惜しくも右に外れ、良い形での攻撃を立て続けに活かせなかった。

　そのまま1-1で迎えた後半開始時、日本は鎌田と町野に代わってMF遠藤航とFW上田綺世を投入。さらに同9分には三笘に代わってMF堂安律が右ウイングに入り、伊東が左ウイングに移った。そのタイミングで空中戦を競り合ったバングーナガンデが着地時に右膝を負傷。一時プレーを続けていたが、同14分には西村とともに交代し、瀬古とMF久保建英が入った。瀬古は左CBに入り、伊藤が左SBに回った。

　日本は後半開始15分間でフィールドプレーヤーの半数が入れ替わるスクランブル状態。すると同16分に失点を喫した。DFダニエル・ムニョスのロングフィードをドゥランに収められて侵入を許すと、飛び込んだ瀬古が抜き去られ、FWジョン・アリアスがペナルティエリア右を打開。左足シュートはシュミットが胸で止めたが、高く上がったボールをボレに豪快なバイシクルシュートで蹴り込まれた。

　ビハインドとなった日本は後半21分、左サイドで伊東がタメを作ると、サポートに回った守田が左足でクロスボールを配球。これに驚異的なハイジャンプを見せた上田が頭で合わせたが、GKカミロ・バルガスのスーパーセーブに阻まれる。同23分には伊東の左CKが再び上田の頭に合うも、これもバルガスの正面に飛び、A代表14試合目での初ゴールとはならなかった。

　日本は後半33分、守田を下げてFW浅野拓磨を投入。森保一監督は紙に書いたメモを浅野経由で遠藤に渡すと、4-1-3-2のような布陣でリスクをかけて前に出る。その後は敵陣で試合を展開し、久保や伊東がゴール前で怖さを見せていたが、最後までゴールを破ることはできずにタイムアップ。新体制2試合目で初黒星を喫した。

(取材・文　竹内達也)

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