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U-20W杯メンバー入りへのアピール弾! アキレス腱断裂を乗り越えた山口FW河野孝汰「熱いものをぶつける2日間だった」

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FW河野孝汰が代表入りへのアピール弾

 2年ぶりの代表候補招集に、こみ上げる思いがあった。レノファ山口FCのFW河野孝汰はアキレス腱断裂を乗り越え、2日間のU-20日本代表候補トレーニングキャンプに参加。18日の関東大学選抜戦で1ゴールを決め、「体がすでに動いて、もうゴールしか考えてなかった」と振り返った。

 5月開幕のU-20ワールドカップはアルゼンチン開催が正式に決定。出場権を手にしているU-20日本代表は、さらなる選手発掘を目指す。17、18日のU-20日本代表候補トレーニングキャンプでは、3月のU20アジア杯で出場時間が短かった選手や未招集だった選手が合計15名参加した。

 関東大学選抜との45分2本の練習試合で、U-20日本代表候補は3-4-3の布陣を敷いた。河野は前線3枚の一角でプレー。開始3分から積極的にシュートを放ち、相手ゴールを脅かした。

 そして1-0で迎えた前半38分、河野が結果を残す。セットプレーの流れから一度はクリアされるが、MF西谷亮(東京V)が中盤からロングフィード。PA右で高身長のDFヴァンイヤーデン・ショーン(横浜FC)が高くジャンプした。「自分の上のところを越えて、ショーン選手が折り返すというのは感じた。あそこにボールが来る匂いがした」(河野)。ショーンの落としたボールを収めた河野が、PA内で振り向きざまのシュートを決め切った。

 10代にして多くの経験を積んだ。3年前、J2最年少記録となる16歳11か月17日でJリーグ初ゴール。試合後には「自分も世界で活躍できる選手になっていきたい」と夢を膨らませていた。だが、2年前に左アキレス腱を断裂。約一年間、試合から離れることになった。

 長いリハビリ期間を経て、今シーズンから本格復帰を果たす。3月11日のJ2第4節では543日ぶりとなるゴールも記録し、復活をアピール。そして今回、飛び級でU-20日本代表候補に選ばれて以来、2年ぶりの代表候補招集となった。

「本当にやっとというか……見てもらっていたんだなと」。5月のU-20W杯を目前に控え、河野に最後のチャンスがやってきた。「本当にひさしぶりの代表活動でしたけど、2日間という短い期間でしたけど、代表というのは常に意識しているところ」と力を込める。同世代の活躍を目の当たりした、リハビリ期間の鬱憤を吹き飛ばすゴール。「熱いものをぶつける2日間だった」と晴れやかな表情を見せた。

 だが、U-20W杯メンバー入りのアピールにつながる1ゴールにも、河野は満足していない。「残り1か月ないくらいで、自分に何ができるかをしっかり考える。何が起こるかわからないし、最大限の準備、アピールをしていきたいです」。候補合宿を終えた河野にできる最大のアピールはひとつ。山口で試合に出て、そして結果を残すことだ。

(取材・文 石川祐介)
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