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森保監督はすでにCL・ELなど6試合視察…一部同行した名波コーチの“観戦力”に驚き?「めちゃくちゃディテールが見えている」

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日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が26日、欧州視察先のスイスから報道陣のオンライン取材に応じ、これまで6試合を現地観戦したことを明かした。日本人所属クラブの試合だけでなく、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)のビッグマッチも目の当たりにし、「試合の基準であったり、同じサッカーであっても別競技と言われるものの差は何なのかというのを自分なりに勉強させてもらえた。いい学び、いい刺激となるいい経験ができている」と前向きに語った。

 14日夜に日本を発った森保監督は今月15日のブンデスリーガ第28節フランクフルトボルシアMG戦、16日のブンデスリーガ2部第28節デュッセルドルフダルムシュタット戦、19日の欧州CL準々決勝第2戦バイエルンマンチェスター・シティ戦、20日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)準々決勝第2戦スポルティングユベントス戦、23日のFA杯準決勝ブライトンマンチェスター・ユナイテッド戦、25日のスイススーパーリーグ第30節グラスホッパー対ヤング・ボーイズの6試合を視察。そのうちMF鎌田大地、DF長谷部誠、DF板倉滉とは面会したという。

スケジュールの都合で面会に至らなかった選手もいたが、「頑張っている姿を見ることができたし、こちらで映像でも見ていることも多いが、国内外で頑張っている選手たちをどうやってこの先成長させてもらって、成功してもらえるかを考えるいい刺激をもらっている」と森保監督。グラスホッパーのMF川辺駿、DF原輝騎、DF瀬古歩夢については「勝てば優勝というヤングボーイズに勝って、日本人3人がスタメンフル出場して頑張っていた」と4-1での首位撃破を祝福していた。

 視察を通じて森保監督が感じたのは、現在の基準を「さらに上げていくこと」の必要性。「欧州は100年以上もサッカーの歴史がある国々ばかりで、これまで培ってきたものがあり、日常にフットボールがあって当たり前のところ。しっかり魅力的なサッカーをするためにはレベルアップを常にしないといけないし、サッカーで地域貢献・社会貢献するところ、そんな今やっていることをコツコツ続けていくことが大切だと思う」と力を込めた。

 また「競技で言えばより激しく強くというところをさらに上げていかないといけないという中で、技術を発揮する、ゴールに向かっていくスピードを上げることから、そうでなかった時にどう崩していくかという優先順位をもっともっとメリハリをつけて上げていけるようにしないといけない」とピッチ内での成長にも意欲。「日本になくてヨーロッパにある、サッカー大国にあると言うことで日本の否定になるかもしれないが、それは急速に日本がレベルアップしている前提があって、でもまだ追いつけ追い越せをしないといけないこともあるということ。日本のレベルアップをさらに加速させられるようにわれわれも代表の舞台でグローバルスタンダードと世界トップ基準でチャレンジできるようにしたい」と意気込んだ。

 CLやELなどの視察は名波浩コーチとともに行っていたといい、「男気がある男だなと思った」と森保監督。「引っ張っていく力があるし、引っ張っていくだけでなく気遣いをしてあげられる人だなと思って見させてもらった」と人間性を称えつつ、「サッカーに関してはめちゃくちゃディテールが見えている。私はざっくりサッカーを見るが、すごく勉強になっている。あの局面で対峙する攻撃と守備の関係とか、体の向きとか距離感、技術をどう駆使しているかの駆け引き(への視点)はすごいなと思いながら聞いている」といい、「サッカー観を合わせていくにはもちろん時間がかかると思うが、日本代表の勝利と日本サッカーの発展のため、選手に成長してもらいたい気持ちを一緒に持っていけば合わせていけると思うので、コミュニケーションをさらに取っていきたい」とさらなる関係強化を誓った。

 なお、森保監督は5月中旬に帰国予定。今後はJFAオフィスのあるドイツ・デュッセルドルフを起点に視察を続けつつ、MF久保建英所属のソシエダが控える大一番レアル・マドリー戦にも向かうという。

(取材・文 竹内達也)

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