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U-17代表候補初招集の左SB内川遼は決定的なヘッドも。刺激・参考にするだけでなく「インパクトを残していきたい」

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U-17日本代表候補合宿初参加の左SB内川遼(市立船橋高)はインパクトを残して合宿を終える

[4.28 練習試合 U-17日本代表候補 1-1 流通経済大柏高 JFA夢フィールド]

 インパクトを残して合宿を終える。DF内川遼は千葉の名門・市立船橋高で昨年から先発を務める06年早生まれの左SBだ。抜群の推進力と左足キック、対人守備の強さ、ヘッドも特長とし、昨年から公式戦で目立っていた。怪我が癒え、今月16日のプレミアリーグEAST第3節で今季初出場。同21日に発表されたU-17日本代表候補合宿メンバーに初選出された。

 緊張の“初代表”ではFW山本吟侍(高川学園高)ら経験者に声をかけてもらい、上手く溶け込んで活動中。周囲と「止める・蹴る」のレベル差を感じているというが、初の実戦では事前に自分の狙いを伝えていたこともあってスムーズにビルドアップに係わっていた。

 CBと距離感を近づけてボールを引き出し、左SH高橋旺良(中央学院高)へ素早く展開。一方で前方の高橋を押し出すような声がけや動きができなかったこと、また強烈な推進力を発揮できなかったことは反省点となった。

「もっとチームでやろうとしていることプラス、自分の強みを出していかないといけないなと思っていて、自分の強みは追い越すだったり前に出て仕掛けるとか意識していかないといけない。(30日の)大学選抜戦は出していきたい」と力を込めた。
 
 特長を出し切れたとは言い難いが、武器の一つも発揮。1本目28分に左CKをファーで合わせたボールはゴール方向へ。「入ったと思ったんですけれども」という一撃はゴールラインを越えたようにも映ったが、ギリギリのところでクリアされて初ゴールとはならなかった。
 
 決まっていれば好アピールになっただけに、再び口にした「入ったと思ったんですけれども……あそこで点を取れていれば次に繋がったと思う」という言葉。悔しさを滲ませていた。それでも、自分のジャンプ力を活かして決定的なシュート。プレミアリーグでは負けていないという得意のヘッドを攻撃面で表現した。

 1か月半後にU17アジアカップを控える中で初招集。トレーニングやミーティングに参加する中で、メンバー入りへの意欲も自然と高まっている。「自分が今回初招集と言えど、メンバーに入っているということを自覚して、どんどん高みを目指していかないといけないと思う」。この日は代表常連の左SB吉永夢希(神村学園高)が自分の特長を積極的に出して存在感ある動き。負ける訳にはいかない。

「見て、肌で感じて刺激になっている。参考にするだけでなく、超えれるところも見つけていって、大会前の本当に直前キャンプで初招集というところでもどんどんメンバーに入り込めるようなインパクトを残していきたいなと思っています。もっとボールを要求して自分のクロスに繋げていきたい」。チームの戦い方に合わせながら、特長である身体能力を活かした攻守でアピール。将来への刺激、参考にするだけで終わるつもりはない。

(取材・文 吉田太郎)

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