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一年ぶりに日の丸背負うU-20日本代表DFチェイス・アンリ、試合出場でコンディション上々「だいぶ調子は上がっています」

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DFチェイス・アンリ(シュツットガルト)

 一年ぶりに日の丸を背負い、成長を見せつける。U-20ワールドカップに出場するU-20日本代表メンバーに選出されたDFチェイス・アンリ(シュツットガルト)は「ここに選ばれていない人のためにも、精一杯やらないといけない」と決意表明。世界の舞台で、自らの存在をアピールするつもりだ。

 尚志高を卒業後、昨年からシュツットガルトに加入した。リーグ4部相当のセカンドチームに所属すると、昨年8月にリーグ戦デビュー。怪我やチーム状況により出場機会は限られていたが、今年4月には3試合に出場する。苦しい時間を乗り越えて、掴んだ貴重な実戦の機会。「試合に出ることでメンタルの部分がもっと強くなった。CBが崩れたらチーム全体が崩れる。CBは自分のメンタルが強くなければいけない」。海外での経験が、顔つきを変えていた。

 4月のリーグ戦では最終ラインに鉄壁を築いた。相手との競り合いでは強烈な強さを見せつける。要所でビルドアップにも貢献し、攻守で存在感を放った。ドイツでは筋トレにも励み、体は厚みを増す。体重は3kg増加したという。ただ闇雲に鍛えているわけでもなく、意識しているのは体のバランス。「体がでかくてバランスが悪いと、当たり負けをしてしまう」。日々の研鑽が報われ、U-20W杯の日本代表メンバー入りを果たした。

 直近のリーグ戦に出ていたこともあり、コンディションには「だいぶ調子は上がっています」と自信を見せる。ドイツからアルゼンチンに渡った時差ボケもへっちゃら。「僕はそういうのは初日から何も感じていなくて、普通に最初の日から寝れて大丈夫でした」と笑顔。昨年2月にU-19日本代表候補として冨樫剛一監督に招集されて以来の再会となった選手も多く、「福田師王は筋トレしているなと思いました。体も大きくなっていたのでびっくりしました」と刺激を受けていた。

 日の丸を背負うのは、昨年6月のU23アジアカップ以来となる。アンリは飛び級で大岩剛監督体制のパリ五輪世代・U-21日本代表に選出。グループリーグ初戦では勝利を収めたものの、緊張からぎこちないプレーを連発し、ハンドでPKも献上していた。「前半10分くらいで、あ…これやばいなと思っていた。初戦は苦しかった」と当時を振り返る。失敗の経験が糧となり、「そこから上がっていったのはよかった」。一年越しの日の丸となるが、表情には自信がみなぎる。「個人では自分の名前を売る。チームでは優勝を目指します」と力強く躍進を誓った。

(取材・文 石川祐介)
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