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第2次初陣からは9人入れ替え…DF減も森保監督「いろんなことを試す上では十分」3バックの可能性も?

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日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が25日、6月のキリンチャレンジカップメンバー26人を発表した。第2次体制初陣の3月シリーズからは9人の入れ替えを実施。ポジション配分も一部変わっており、2度目の活動でも新たなトライが見られそうだ。

 3月シリーズに引き続き選ばれたのは17選手。ゲームキャプテンを務めたMF遠藤航(シュツットガルト)やDF板倉滉(ボルシアMG)のほか、所属先で存在感を高めているMF三笘薫(ブライトン)やMF久保建英(ソシエダ)らカタールW杯組が13人を占めた。また3月初招集のFW中村敬斗(LASKリンツ)の他、W杯選外のGK大迫敬介(広島)、DF瀬古歩夢(グラスホッパー)、DF菅原由勢(AZ)が新たに定着した。

 新たな顔ぶれは9人加わった。まずはカタールW杯組のDF谷口彰悟(アルラーヤン)、MF相馬勇紀(カーサピア)が復帰。両選手はいずれもW杯後に海外移籍を経験しており、3月はチーム活動に配慮して招集されなかった可能性もありそうだ。W杯落選組では昨年9月のドイツ遠征まで選ばれていたFW古橋亨梧(セルティック)、MF旗手怜央(セルティック)が8か月ぶりに復帰。GK中村航輔(ポルティモネンセ)とMF川辺駿(グラスホッパー)は2021年6月のカタールW杯2次予選以来、2年ぶりの選出となった。

 さらにJリーグからDF森下龍矢(名古屋)、MF川村拓夢(広島)、MF川崎颯太(京都)の3選手が初招集。2001年生まれの川崎は森保ジャパンで7人目となるパリ五輪世代からの抜擢となった。

 一方、3月シリーズの招集メンバーからは負傷離脱中のMF田中碧(デュッセルドルフ)とDF冨安健洋(アーセナル/前回招集辞退)の他、GK谷晃生(G大阪)、DF町田浩樹(サンジロワーズ)、DF橋岡大樹(シントトロイデン)、DF藤井陽也(名古屋)、DF角田涼太朗(横浜FM/前回招集辞退)、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、DF半田陸(G大阪)、MF西村拓真(横浜FM)、FW町野修斗(湘南)が落選した。

 現状では3月シリーズから引き続き招集された17選手がコアメンバーとみられ、残りの9枠を他の選手で争っているという形とみられる。森保監督はこの日の会見で「われわれは広く選手たちを見て、その活動ごとに将来の戦略を持って選手を招集させていただいて、どのように選手の成長、チームの成長、日本サッカーの成長につながるかを考えている」と選考基準を述べた。

 なお、今回のメンバー編成ではポジション配分にも変動があった。選手リストではDF登録が2人減って6人となり、MF/FWが2人増加。また所属先ではDF登録の森下もウイングバックで出場しており、より攻撃的な選手が名を連ねたと言える。

 森保監督はDF人数の変化について「枚数的にはDFライン専門の選手は少なくなっているかもしれないが、2試合を戦う中でいろんなことを試す上では十分だと思っている」と見解。「これまでのチーム作りでも、今回選んだ選手もこのポジションしかできないという選手はほとんどいない。自分の良さを発揮するスペシャルなポジションを持ちながらもポリバレントに複数ポジションをして、組み合わせを考えながらやれたらと思っている。選手にもスペシャルな部分と柔軟に違うポジションもできることを見せてもらいたい」と話した。

 DFのうち所属クラブでSBをメインに担っているのはDF菅原由勢(AZ)のみ。そこで想定されるのは、カタールW杯のドイツ戦・コスタリカ戦で試合途中から採用され、スペイン戦・クロアチア戦では基本システムとなった3バックの再導入だ。ウイングバックであれば本職の森下のほか、新たに招集した相馬、川村の起用法も見えてくる。

 森保監督は3月シリーズで4-2-3-1をベースに戦いつつも、サイドバックを中央寄りでプレーさせる新たなビルドアップにトライ。カタールW杯で反省点に挙がったボール保持とアタッキングサードの崩しにテコ入れを行った。ただ、このトライについて森保監督は「あくまでもオプション」と明言しており、6月シリーズは異なる戦法を採用することも考えられる。

 3月シリーズでは新たなトライに照準を合わせるあまり、各選手の本来のプレーが出せない課題も残った森保ジャパン。指揮官は今月の欧州視察後の取材対応で「トライするところはもちろんトライして、より躍動感のある、インテンシティを感じてもらえるような準備をしていきたい」とも語っていたが、言葉どおりのパフォーマンスが期待される。

(取材・文 竹内達也)

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