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勝てば優勝の戦いでオランダを4発逆転。チーム一丸で勝ち切ったU-16日本代表がU-16インターナショナルドリームカップ制覇!

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U-16日本代表が3連覇。「U-16インターナショナルドリームカップ2023 JAPAN」の頂点に。19、22年大会に続く3連覇

[6.4 U-16インターナショナルドリームカップ第3戦 U-16日本代表 4-2 U-16オランダ代表 Jヴィレッジスタジアム]

「これが決勝戦と思って戦う」(廣山望監督)。4日、「U-16インターナショナルドリームカップ2023 JAPAN」(福島・Jヴィレッジ)の第3戦(対U-16オランダ代表)を、U-16日本代表はそう位置付けた。欧州の伝統国を相手に開始早々に失点を喫する苦しい立ち上がりとなった日本だったが、MF菅原悠太(FC東京U-18)の得点などで勝ち越すと、難しい時間をしのいで後半に再爆発。4-2の快勝を飾り、タイトルを勝ち取った。

 昨年のスペイン遠征(フェデレーションズカップ)ではスペインにPK戦の末に敗れて決勝に進めず、今年4月のフランス遠征(モンテギュー国際大会)でも準決勝でフランスを破って優勝に王手をかけながらファイナルでイングランドにやはりPK負け。優勝できそうでできない経験を続けていた世代だけに、「奇しくも初戦に負けてトーナメントのようになった。勝てば優勝という中でこの試合を迎えることができた」(廣山監督)ことを踏まえ、まずはチーム一丸で勝ち切ることを強く意識して試合に臨んでいた。

 そんな日本の先発はGK亀田大河(神戸U-15)、DFに森壮一朗(名古屋U-18)、田中玲音(東京実高)、大川佑梧(鹿島ユース)、左SB島佑成(神戸U-15)、中盤に菅原悠太(FC東京U-18)、長田叶羽(G大阪ユース)、布施克真(日大藤沢高)、濱崎健斗(神戸U-18)が入り、前線は大石脩斗(鹿児島城西高)と関口航汰(清水ユース)が2トップを組んだ。

 だが勢いよく入った試合の開始早々、いきなりの失点を喫してしまう。自陣でFWサミ・ブフダン(PSV)にボールを奪われると、シュートはGK亀田が防いだものの、こぼれ球をFWリフ・オルデンスタム(アヤックス)に押し込まれてしまう。まさに最悪のスタートだった。

 だが、すぐさま日本も反撃を開始。失点直後のキックオフからのプレーで見せたのは左SBの島。「ドリブルは得意」と語るとおりに自信を持ってスペースへ持ち出すと、そこから「誰かが触ってくれれば」というゴール方向への鋭いクロスを送り込むと、これに敵味方の誰も触ることができず、そのままゴールイン。幸運も味方に付けての得点で巻き返す。

 さらに10分には、「事前のミーティングで狙うように言われていた」という菅原が相手のディフェンスライン裏へ大胆に動き出すと、「顔を上げたら目が合った」と言うDF大川がロングパス。抜け出した菅原は完全なフリーとなり、「逆に焦った」と言うが、最後はGKを視界に捉えながらしっかりとゴールの枠内へシュート。見事に逆転ゴールを決め切ってみせた。

 このあとは巧みなビルドアップを見せるオランダを捕まえ切れずに日本が劣勢となる展開が続き、菅原の逆転ゴールが前半最後のシュートになってしまう厳しい流れだったが、失点は許さず。ハーフタイムを経て、特に守備のポイントが整理された日本の内容は大きく改善。後半開始早々の3分にCKから濱﨑が追加点を奪うと、5分には高い位置でのプレスがハマって最後は相手GKからボールを奪った大石が決めて、4-1と大きく勝ち越した。

 その後は交代出場のオランダFWジノ・フェルフルスト(PSV)に1点を返されたものの、大会MVPに輝いた大川を軸とした守備陣が粘り強く対応。4-2の快勝となり、勝点6で日本、オランダ、アメリカの3か国が並ぶ形となり、得失点差で米蘭両国を上回った日本が大会優勝となった。

 大会MVPには大川、大会得点王には3得点でFW神代慶人(熊本U-18)が輝いている。

(取材・文 川端暁彦)

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