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「運動神経も良いし、足も速い。左足にも自信あり」のDF島佑成が確かな存在感。U-17W杯へ猛アピール

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U-16日本代表の左SB島佑成(神戸U-18)はチームを勢いづける同点ゴール

[6.4 U-16インターナショナルドリームカップ第3戦 U-16日本代表 4-2 U-16オランダ代表 Jヴィレッジスタジアム]

「いやあ、正直、狙っていない……でも狙ったということで、ここは!」

 取材エリアに現れたU-16日本代表の左SB島佑成(神戸U-18)はそう言って笑顔を浮かべた。前半4分、失点直後のキックオフから始まった攻撃から決めた起死回生のゴールについてのコメントである。

「ボールを運んでクロス、でしたね。『触ればゴール』というイメージ」

 自慢の左足を振り抜いての鋭いクロスボールは、斜めに飛んでゴール方向へと向かっていく弾道だった。日本FW、オランダDFが共に触りきれなかったボールは、直前の変化に備えていたオランダGKが泣くしかないような絶妙なコースへ飛んでゴールネットを揺らした。幸運が味方した結果なのは間違いないが、失点直後で皆が気落ちする中でも「触ればゴール」のクロスを積極的に狙っていったからこそ生まれた得点だった。

 所属のヴィッセル神戸U-18では1年生ながら出場機会をしっかり掴んでおり、自信も十二分に蓄えてきた。今大会の第1戦ではCBで先発し、第2戦は左SBとして途中出場して鮮烈なゴールを記録。そして第3戦では左SBとして、攻撃好きの選手らしい猛烈なプレーを見せ続けた。

 もちろん、攻めだけではない。優勝を懸けたオランダとの第3戦ではスピード豊かな相手のサイドプレーヤーたちと熱いバトルを展開。サイドの主導権を渡さなかった。

「自分は運動神経も良いと思うし、足も速いので。しっかりと良い位置から対応していれば負けることはない。うまくインターセプトもできたし、(サイドからボールを)運び出すこともできていた」

 また後半になってから輝きを増す点も魅力だ。「自分は体力もあるほうなので、後半からギアを上げてやれる」と胸を張るように、スタミナ豊富な選手という印象も残した。

 廣山望監督もそんな島を「スピードが伴った中でも高い技術を発揮できる」と高評価し、U-17日本代表を率いる森山佳郎監督も島を一歳年長のチームへ引き上げることは検討したと言う。最終的にはアジア予選のメンバーからは漏れているが、島はそこで折れるようなメンタルの持ち主ではない。

「もうアジアカップには行こうと思ったところで行けないので。でも11月にはU-17W杯がある。そこでは絶対にメンバー入りして、自分が中心選手として引っ張っていけるようにならないといけない」

 目線は次の夢舞台へ切り替わっている。そのためには「もっとフィジカルを付けないといけない。今は食事も増やして筋トレもやっている」と、自己改革もおこたらないつもりだ。

(取材・文 川端暁彦)

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