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3月のドイツ戦から学んだGK鈴木彩艶「クロスの部分で当たり負けしないように」

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GK鈴木彩艶(浦和)

 イングランド遠征中のU-22日本代表GK鈴木彩艶(浦和)がオンラインでのメディア対応に登場。「最近のヨーロッパ勢との戦いでは勝ててないので勝利を目指してやりながらも、試合が終わった後に充実感を得たいという思いもある。まずはチームとしても自分としてもやるべきことにトライしてやっていきたいなと思っています」と抱負を述べた。

 3月の欧州遠征ではU-22ドイツ代表との試合に先発し、立ち上がりからゲームを支配される中で存在感を見せた。見事だったのは9分。DFイェシック・ンガンカム(ヘルタ・ベルリン)のゴール正面からのシュートを弾くとすぐさま起き上がり、詰めてきたファリデ・アリドウ(フランクフルト)のシュートを再びディフレクション。素晴らしいダブルアクションでシュートを防いだ。

 所属の浦和で磨いているクロスへの対応力を示すことにも成功。クロスが上がった際には積極的に前へ出て行き、相手に攻撃のチャンスを与える前にボールを処理するプレーが目立っていた。

「結果としては(2-2の)引き分けで終わったけど、自分の特徴を出しながら武器のところでは負けていないなと感じた部分もあった。逆に、日本ではクロスの部分で競り負けるシーンが少ないが、ドイツといった強豪国とやった時に、自分のパワーがまだまだ足りてないというのを実感した」と振り返ったように、多くの気づきを90分間に得たようだ。

 浦和ではGK西川周作のパフォーマンスが良いため、リーグ戦での出場機会をつかめていないが、その中でも「昨シーズンと比べてクロスの安定感であったり、クロスに対してアグレッシブに飛び出すことであったり、ビルドアップでも長短のパスをうまく使ってチャンスを作れるようになってきたなと感じている」と成長を実感している。

 飛び級でメンバー入りした東京五輪では出場機会こそなかったが、ベンチからでも多くのことを学び、多くの刺激を受けた。

「(五輪は)選手としては楽しい舞台。自分には出られない悔しさや、チームがメダルを取れなかった悔しさもあった。試合が終わった後に先輩方から『次は頼んだぞ』とも言われた。東京五輪を知っている身としては、次のパリ五輪で結果を出したいというのがすべて」と、思いを次々と言葉にする。

 イングランド戦に出れば課題にしたいことも明確に持っている。

「前回のドイツ戦の反省を活かして、クロスの部分で当たり負けしないようにしたいし、武器であるキックでチャンスを作るのもそう。前回は2失点してしまっているので、いかに失点を少なくしてゼロで抑えるか、というところにもトライしながらやっていきたいなと思う」と力強く言った。

(取材・文 矢内由美子)

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