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U-17日本代表はFW陣に負傷者続出…エースの働き託される熊本FW道脇豊「2人の気持ちも背負って戦いたい」

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ロアッソ熊本FW道脇豊

[6.8 練習試合 U-17日本代表 4-3 鹿島ユース]

 U-17ワールドカップ最終予選にあたるAFC U17アジアカップを目前に控えるU-17日本代表は8日、千葉県内で鹿島アントラーズユースとの練習試合を行った。絶対的エースとしての働きに期待がかかるロアッソ熊本FW道脇豊は味方との息が合わない場面が続いてノーゴール。それでも10日後に控える大会開幕までになんとか連係向上を図っていく構えだ。

 今月17日に初戦を迎えるU17アジア杯への準備を進めるU-17日本代表は7日、千葉県内で直前合宿をスタート。すでに熊本のトップチームに登録されている関係により、これまでの国内キャンプに参加できていなかった道脇にとって、今年3月のアルジェリア遠征以来の“06ジャパン”合流となった。

 合宿2日目のこの日は合流後初の実戦が組まれ、鹿島ユースと15×5本のトレーニングマッチを実施。「初めて自分と一緒にプレーする人もいて、動き出しが自分の良さだと思うけど、自分の良さをしっかり出して、初めての選手からもパスをもらえるように意識してプレーした」という道脇は前線で懸命な動き出しを続けていた。

 それでも久々の活動で連係面のブランクは大きく、道脇が動き出した方向にパスが来ることは少なく、なかなか攻撃を前進させられず。186cmの上背を活かしてロングボールを収めたり、中盤に降りて逆サイドに展開したりと、随所に存在感を放っていたものの、厳しいアジアの戦いを見据えればさらなる連係向上が求められる。

 11日には大会前ラストマッチとなる大学生との練習試合も予定。道脇は「みんなでこれから映像を振り返るので、オフの時間もプレー中もしっかりコミュニケーションを取って、もっと自分にパスが来るようにしたい」と意気込んだ。

 道脇は昨年10月に行われたU17アジア杯予選で3ゴールを挙げて全勝突破に貢献し、高校3年になった今季からは早くもプロ契約を締結。すでにJ2リーグ戦9試合に途中出場し、プロレベルの実戦経験を積んできた。

「去年までは抜け出しが得意だったのでずっとそればかりしていたけど、プレーの連続性であったり、背後に抜け出すだけじゃなく、落ちて受けたりするのも意識してトレーニングしている。大木さんも自分の良さを理解してくれているので伸び伸びやれている」。U17アジア杯はそうした成長を見せつけるための舞台となる。

 また道脇にとってもう一つ、モチベーションを燃やす理由がある。

 今回の活動では、昨年のU-17アジア予選で5ゴールの大活躍を見せたFW徳田誉(鹿島ユース)と、これまで世代を引っ張ってきたFW山口太陽(FC東京U-18)が負傷のため揃って招集外。他のFW登録にはFW名和田我空(神村学園)、FW高岡伶颯(日章学園高)と小柄なタイプが並び、本職のストライカーは道脇ただ一人となっている。

 道脇にとって、徳田と山口は「自分も2人のおかげで成長できたし、ライバル心が芽生えたことでここまで来られた」というほどの存在。「2人はライバルだったけど、ここに来られなかったことが正直自分も悔しい。でもその2人は自分よりもっともっと悔しいと思うので、その気持ちも背負って戦っていきたい。W杯で2人とプレーできるように最終予選を絶対に勝ち抜きたい」。彼らに世界舞台への挑戦権をつなぐためにも、“絶対的エース”としての役目を果たす構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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