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遅れてきた“東京五輪世代”が日本代表初招集…伊藤涼太郎「やっぱり日の丸を背負って戦いたい」

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MF伊藤涼太郎(シントトロイデン)

 遅れてきた“東京五輪世代”MF伊藤涼太郎(シントトロイデン)が日本代表に初招集。29日に合流すると、30日に本格的に練習に加わった。

 日本代表は来年1月1日に「TOYO TIRES CUP 2024」でタイ代表と対戦。1月にアジアカップを控えるなか、伊藤のアピールがスタートした。4-2-3-1の布陣を並べた練習ではトップ下でプレー。自身も「勝負したいのはやっぱりトップ下。10番のところ」と強調する。

 2022年にアルビレックス新潟で大ブレイクし、J2リーグ42試合9得点でJ2優勝とJ1昇格に貢献。23年もJ1リーグ17試合7得点を挙げ、今年6月に海外移籍を果たした。それでも日本代表への招集はなく、カタールワールドカップは東京五輪に出場した同世代が躍動。「同年代の選手たちが活躍する中で、何やってるんだろうというところもあった」。今年9月には日本代表が敵地でドイツ代表を撃破。伊藤も画面越しにその姿を見守った。

「日本代表はテレビの前で見ていて、ここ数年で非常に強くなっている。9月のドイツ戦も自分たちのペースで、自分たちの主導権で勝利していた。それはすごく刺激になった」。そして今回、待望の代表初招集。日の丸を背負うことに「いままでと違う重み」を感じているという。緊張しているというが顔見知りも多い。同じくシントトロイデンでプレーするGK鈴木彩艶、また年代別代表で一緒だったMF堂安律(フライブルク)や町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)もいる。伊藤も「早く馴染みたい」と積極的に溶け込もうとしていた。

 層の厚い中盤で生き残るためには相当なアピールが必要だ。伊藤は自身の考えを語る。「僕と同じポジションの選手は5大リーグで活躍している選手ばかり。そういった選手に負けないこともすごく大事だが、そういった選手とは違う自分を見せることが大事だと思う」。具体的な部分としてライン間での動きやアイデアを挙げる。「そういったところでアピールしたい」と意欲を見せた。

 取材陣からはライバルとしてトップ下やボランチでプレーするMF鎌田大地(ラツィオ)の名前が出た。伊藤は「参考にする部分もたくさんある」と回答しながらも、深く意識はしていない。「誰かを目標にするよりも、逆にそういう人たちになれるように、目標とされるような選手になれるように、自分にしか出せないものはたくさんある」。招集された意味を自分なりに解釈しているようだ。

 元日のタイ代表戦直後には、アジア杯メンバーが発表される。伊藤は「アジア杯(メンバー)に選ばれたい」と力を込めながら、遠い先までの代表活動を見据える。憧れのW杯には「誰しもが出たい場所。日本人で生まれたら、やっぱり日本代表として日の丸を背負って戦いたい」。まずは大事な一歩目として、元日での躍動を誓っていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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