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「しんどいシーズンだった」鎌田大地が語った苦悩と葛藤「イタリアのレベルじゃないのかなとか考えた時期もあった」

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日本代表MF鎌田大地

 途中離脱した昨年11月以来、約半年ぶりの代表復帰となった日本代表MF鎌田大地(ラツィオ)が合宿初日の3日、苦しんだ今シーズンを率直に振り返った。

 今季、フランクフルトからラツィオに移籍した鎌田はマウリツィオ・サッリ前監督の下では出場機会に恵まれず、今年1月のアジア杯メンバーからも落選するなど厳しい時期を過ごした。

「練習自体も連戦が多くて、インテンシティーのある練習をするタイプの監督でもなかったので、自分でランニングメニューを入れたり、帰って筋トレをしたり、気持ち的にしんどいシーズンだったけど、うまく頑張ってやれたのかなと思う」

 その間に日本代表はアジアカップに参戦。「自分は行けなかったけど、優勝してほしかったし、一ファンとして見ていた」と、ハイライトなどを通して映像も確認していたというが、結果はベスト8敗退に終わった。「あれだけアジアカップに入るまではチームとして良かったし、サッカーってやっぱり分からないなと思った」と本音を吐露した。

 今年3月にイゴール・トゥドール監督が就任してから状況が一変した鎌田はシーズン最後の9試合に連続先発するなど完全なレギュラーに定着。「ラツィオ自体がイタリアのサッカーで、インテンシティーで負荷をかけられる選手がなかなかいなかったので、彼の求める選手像に当てはまったのもあったと思うし、自分が出た試合で彼の求めていることをできたのが大きかったと思う」。シーズン終盤にポジションも自信も取り戻したが、そこに至るまでには深い苦悩と葛藤もあった。

「ドイツから違うリーグに行って練習をしている中で、自分自身がラツィオのレベルじゃないという風には思ってなかった。その前に実績もちゃんと残して、ステップアップとしては問題のないレベルだったと思う。ただ、試合に出られなかったりすると、イタリアのサッカーに合ってないのかなとか、イタリアのレベルじゃないのかなとか、いろいろ考えた時期もあった。そうじゃないと自分の中でハッキリできたのはよかったのかなと思う」

 監督交代という外的要因もあったとはいえ、鎌田自身が愚直に努力を続け、成長してきたからこその復活だった。「フランクフルトとラツィオでは、リーグも違えばサッカーも違う。選手としてはフランクフルトのときよりも良くなったと思っているし、そういう部分で代表で求められていることをしっかり表現できればと思う」。今年9月に始まるW杯アジア最終予選を前に、誰よりも頼りになる男が日本代表に戻ってきた。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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